東南アジアの世界遺産、新たに2つが加わり合計33件に

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先月から今月初旬に渡って、ロシア・サンクトペテルブルクで開催されていた第36回世界遺産委員会で、東南アジアにある以下の2つの文化遺産が新たに世界遺産として登録されています。

バリ州の文化的景観:トリヒタカラナの精神を象徴するスバクの水利システム(インドネシア)
Cultural Landscape of Bali Province: The Subak System as a Manifestation of the Tri Hita Karana Philosophy

レンゴン渓谷の考古遺産(マレーシア)
Archaeological Heritage of the Lenggong Valley

これら2つを加え、アセアン10カ国の世界遺産は合計で33(文化遺産21、自然遺産12)になりました。

現在、アセアン諸国の中で世界遺産のない国はシンガポール、ブルネイ、ミャンマーの3カ国です。

暫定リストにも登録がないシンガポールやブルネイとは違い、ミャンマーの場合、バガン遺跡をはじめ世界遺産入りしても当然と思えるような遺産が幾つかあります(世界遺産暫定リストには8件が登録されています)。

今までこれらがスルーされてきたのは、軍事政権国家という同国の政治的な側面も大きかったと思うので、このところの民主化政策を受け、ミャンマー初の世界遺産が誕生するのもそう遠くないのではないでしょうか。

東南アジアの世界遺産リスト (2012年7月現在)

インドネシア (文化遺産4、自然遺産4)
ボロブドゥル寺院遺跡群 – (1991年、文化遺産)
ウジュン・クロン国立公園 – (1991年、自然遺産)
コモド国立公園 – (1991年、自然遺産)
プランバナン寺院群 – (1991年、文化遺産)
サンギラン初期人類遺跡 – (1996年、文化遺産)
ロレンツ国立公園 – (1999年、自然遺産)
スマトラの熱帯雨林遺産 – (2004年、自然遺産)
バリ州の文化的景観 – (2012年、文化遺産)

カンボジア (文化遺産2)
アンコール遺跡 – (1992年、文化遺産)
プレアヴィヒア寺院 – (2008年、文化遺産)

タイ (文化遺産3、自然遺産2)
スコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町 – (1991年、文化遺産)
古都アユタヤ – (1991年、文化遺産)
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区 – (1991年、自然遺産)
バーンチエン遺跡 – (1992年、文化遺産)
ドンパヤーイェン-カオヤイ森林地帯 – (2005年、自然遺産)

フィリピン (文化遺産3、自然遺産2)
トゥバタハ岩礁自然公園 – (1993年・2009年拡大、自然遺産)
フィリピンのバロック様式教会群 – (1993年、文化遺産)
フィリピン・コルディリェーラの棚田群 – (1995年、文化遺産)
プエルト・プリンセサ地底河川国立公園 – (1999年、自然遺産)
ビガン歴史都市 – (1999年、文化遺産)

ベトナム (文化遺産5、自然遺産2)
フエの建造物群 – (1993年、文化遺産)
ハロン湾 – (1994年、自然遺産)
ホイアンの古い町並み – (1999年、文化遺産)
ミーソン聖域 – (1999年、文化遺産)
フォンニャ-ケバン国立公園 – (2003年、自然遺産)
ハノイのタンロン皇城の中心区域 – (2010年、文化遺産)
胡朝の城塞 – (2011年、文化遺産)

マレーシア (文化遺産2、自然遺産2)
キナバル自然公園 – (2000年、自然遺産)
グヌン・ムル国立公園 – (2000年、自然遺産)
マラッカ海峡の歴史的都市群、マラッカとジョージタウン – (2008年、文化遺産)
レンゴン渓谷の考古遺産 – (2012年、文化遺産)

ラオス (文化遺産2)
ルアン・パバンの町 – (1995年、文化遺産)
チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群 – (2001年、文化遺産)

ちなみにアジアで最も世界遺産が多いのは中国の43件で、次いでインドの29件、以下、日本の16件、イランの15件などとなっています。