東西経済回廊を行く その1 フエ~ラオバオ

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ベトナムのフエからタイのムクダハーンまでローカル路線バスやタクシー、トゥクトゥクなどを乗り継いで旅をしてきました。

ここはいわゆる東西経済回廊と呼ばれるルートの一部で、全線はベトナムのダナンを東の起点に、ラオバオ、ラオスのサワンナケート、タイのムクダハーン、コンケーン、スコータイなどを通り、ミャンマーのモーラミャインまでを結ぶ全長1,450kmの区間。

このうちフエ~ムクダハーン間は距離的には全体の約3分の1に相当する約440kmの道程となりました。

今回まず第1弾としてフエからラオスとの国境の街ラオバオまでの様子を紹介します。


フエ~ラオバオのルート

泊まっていたフエのムーンライトホテルで朝食を軽く採り、6時40分にチェックアウト。外を見ると、薄暗く、しとしとと日本の梅雨時のような雨が降っています。

「ラオバオまでローカルバスで行く?」、「あなた今まで行ったことあるの?」、『無いけど・・・』、「大丈夫かなあ」というようなやり取りがホテルスタッフとあり、行き先の書いた紙を手渡してくれます。また、困ったら必ずホテルに電話するよう念を押されます。

雨脚が多少でも弱まるのを待っていたいのですが、そんなことをしていると後のスケジュールにどんどん響いてくるので思い切って出発。

タクシーを呼んでもらい、ラオバオ行きのミニバンが発着するフィアバック・バスターミナル(北バスターミナル)に向かうことに。

雨のフエ

雨のフエ。

ホテルからは距離にして7~8キロ、約15分ほどで到着。運賃はメーターで約10万ドン(600円弱)。着いたところはバスターミナルというよりはちょっとした空地のような場所で、ラオバオ行きのミニバンはすぐに見つかります。

フエからラオバオへのバスの運行時間は下記ページ内で確認することが可能。

2015年7月時点では、6:00, 6:30, 7:00, 7:30, 8:00, 9:30, 10:30, 12:00, 13:00, 15:00, 16:00の1日11本が運行。料金は8万または9万ドンと表示されていますが、外国人の場合はたいてい10万ドンと言われます。

ラオバオ行きのミニバン

ラオバオ行きのミニバン。車両は韓国の起亜自動車製。

先ほどのホテルスタッフが心配しているといけないので、彼女に電話し、無事乗れたことと謝意を伝えます。

車内の様子

後部には自転車やら何かの部品やらいろいろと積まれています。

どうせ時間通りには出発しないんだろうと高を括っていたら、1分の狂いもなくきっちり7時30分に出発。

このミニバン、座席数から見ると10人以上乗れるのですが、この時点で客は全部で6~7人。乗客は自分以外全て地元ベトナム人。客層は高校生くらいの若者から小さな子供を連れたこぎれいな格好の若奥さん、初老の男性などと千差万別。しばらくはのろのろと走り、時折車掌が声を張り上げ、沿道で客を探していきます。

フエから途中のドンハー(Đông Hà)まではベトナムで最も重要な幹線道路、国道1号線を走っていくことになります。片側二車線ですが通行量はそれほど多くはなく、周囲はのどかな田園風景。空模様はいまだ怪しいものの、一応雨も上がりました。

国道1号線

この辺りでは統一鉄道もすぐ脇を走っているので時折列車とすれ違います。

統一鉄道

途中で乗客数人を拾い、車内もほぼ満席状態に。いよいよスピードを出すのかと思っていたらそんなことは無く、我らがKIA号は相変わらずのんびりと安全運転。スピードメーターを見るとだいたい60km/h前後。タイだったらこういう感じの道路であれば、特にミニバンなどは間違いなく100km/h以上で飛ばすのですが・・・。

英語と簡単なベトナム語、さらにジェスチャーを交えてドライバーに聞いたところによると、どうも警察によるスピードの取締りが頻繁に行われているのが理由のよう。よく観察してみると周りの車もほとんど同じような速度で走っていて、この速度で走っていても他の車に追い抜かれることはほとんどありません。

ドンハーまでの道中で特に気になったのは道路工事の多さ。一車線が使えなかったり、時には片側二車線が共に閉鎖されていたりという感じで、その都度大きく徐行せざるを得なくなります。

工事中の道路

右側2車線が工事中。

工事中の様子

ここでは新たに高架橋を建設中。

フエからドンハまでは距離でいうとわずか70~80kmほどですが、この間に約10か所で工事が行われていました。

満席の車内

満席の車内、エアコンは故障中。

ドンハー手前のクアンチー(Quảng Trị)到着は8時45分、その後料金所を9時に通過。ここまで出発からちょうど1時間半。

料金所

9時5分にドンハーに入り、いよいよ本線から外れ、ラオバオに向け進路を西に取っていきます。

給油を兼ねトイレ休憩

9時10分に給油を兼ねたトイレ休憩。

市街地の標識

「市街地」を表す交通標識。速度制限が一層厳しくなる。

ここから先は、タイのタークまで続くアジアハイウェイ16号線ともなっている道路です。

アジアハイウェイ16号線

所々でAH16(Asian Highway 16)の標識が。

ラオバオまで残り60kmとなったあたりから、道路は緩やかな登りが続いていき標高が上がっていきます。完全に舗装されていて、先ほどまでのように工事をしているような場所もほとんどないため、至って快適。

ラオバオへ向かう道路

緑は多いものの、この辺りまで来ると椰子の木やバナナなどの熱帯植物は少なく、どことなく日本的な風景に。

10時ちょうど、ラオバオまで残り34km。ここにきてドライバーが急に速度を上げ、80km/h程度で走行。

ラオバオへ向かう道路

一時は晴れ間も覗いていたのですが、ベトナム戦争の激戦地ケサン(Khe Sanh)に到着する頃には再び雨空に。この時点で時刻は10時半。

ケサン戦勝記念像

ケサンの戦勝記念像。

ケサンからラオバオへ

教会。

右手に大きな観音像が見えてきたらようやくラオバオに到着です。

ラオバオの街並み

バスターミナルで下されるのかと思っていたら、国境ゲート手前の食べ物屋が軒を連ねている辺りまで連れてきて貰えました。下車したのは10時50分。フエのバスターミナルからここまで所要時間は3時間20分でした。

ラオバオ国境付近

さあ、ここから先ラオスに入国するまでは徒歩で国境を越える予定です。

ラオバオ国境

次回はラオバオ~デーンサワン間の様子を紹介します。