アジアの麺料理 第15回「パッタイ」

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久しぶりのアジアの麺料理。15回目となる今回はタイのパッタイ(ผัดไทย)を紹介します。

パッタイ
パッタイ

パット(ผัด)はタイ語で「炒める」のことなので、直訳すれば「タイ風炒め」。

現在の名称では何を炒めているのかが省略されてしまっていますが、元々はクイティオ・パッ・タイ(クイティオのタイ風炒め)と呼ばれていたようで、既にタイで広まっていた米粉の麺を炒めた料理をアレンジし、具材や調味料に地元の特産品を使うなどしてタイ風にしたものです。

この料理の歴史は比較的浅く、広く食べられるようになったのは1940年頃からだと考えられています。当時、経済面・生活面でのタイ化を推し進めていた政府は、存在感を増す華僑・華人の活動を抑制することに重点を置いていました。

バンコクなどの都市部でポピュラーだった麺料理は彼らが中国から持ち込んだものばかりということで、一種の国策としてタイ・オリジナルの麺料理を普及させることになり、誕生したのがパッタイだったようです。

パッタイ

セン・レックあるいはそれよりも柔らかいセン・チャンと呼ばれる細めの米粉麺を用い、一緒に炒める具材は、卵、硬めの豆腐(タオフー・ルアン)、塩漬けした大根、干しエビ、ニラ、モヤシあたりが代表的。

豚肉は中華料理の象徴となっていた食材のため、オリジナルのパッタイでは使用しないことが基本であると言われています。

ただ、よく考えてみると、米粉の麺、干しエビ、豆腐なども古くから中国で使われてきた定番の食材で、中国から持ち込まれたクイティオ炒めをちょっとアレンジしたもの、というあたりが贔屓目なしで見た場合のパッタイの正統的な評価だと思うのですが、どうでしょうか?

米粉麺を炒めた料理と言えば、パッ・シイウ(ผัดซีอิ๊ว)という料理もタイではポピュラーです。味付けや用いられる具材などを見ると、こちらのほうがより中国の麺料理の影響が残っています。マレーシアやシンガポールのチャー・クイティオ(炒粿條)、あるいはインドネシアのクイティオ・ゴレンと呼ばれているものも同系統ですね。

今回パッタイを食べるために訪れたのはバンコクのシーロム地区に新しくオープンしたパッタイ専門店、バーン・パッタイ(Baan Padthai)

店内の様子
店内の様子
メニュー
メニュー

一番上に書かれていたシンプルなパッタイ・ジェーを注文。ジェー(เจ)というのは中国語の齋からきた言葉で菜食を意味しています。料金は160バーツとかなりのお値段。

パッタイ

パッタイの味付けの基本はナンプラー、唐辛子、砂糖など。付け合わせの砕いたピーナッツ、ライム、生ニラ、生モヤシなどはお好みで。

製麺法による分類に従えば、切り麺系列になります。

店内の様子

国家主義的な、ややキナ臭い出自の麺料理ですが、現在ではタイ人だけでなく、中国人にも、西欧人にも、もちろん我々日本人にも人気の料理となっていることは、パッタイにとっても幸せなことではないかなと思います。

データ

料理名: パッタイ
麺の原料: 米粉
麺の種類: 切り麺系列
: 豆腐、もやし、ニラなど
店名: バーン・パッタイ(Baan Padthai)
場所: タイ・バンコク

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