アジアの麺料理 第8回「フォー」

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アジアの麺料理、第8回となる今回はベトナムのフォーです。

元々はハノイを中心とするベトナム北部発祥の麺料理ですが、今ではベトナムを代表する麺料理として語られることも多いですね。

今回訪れたのはフォー24(Pho 24)。ベトナム国内だけでなく、インドネシア、カンボジア、香港、マカオなどにも進出している人気フードチェーン店です。

2011年にはセブン&アイ・ホールディングスと提携し一時期日本にも進出していたのですが、今年に入り運営していた3店舗全てが閉店。既に日本からは撤退という形になっています。

フォー24のフォー・ボー
この日はフォー・ボー(牛肉入りフォー)を注文。料金は5万9千ドンと結構高め。

一般に屋台などでは、ライム、ハーブ類、もやし、唐辛子などがどかっと大皿に盛られトッピングし放題になっていますが、ここフォー24では品良く小皿で提供。

フォー
同じくベトナムを代表する米粉の麺であるブンと違って、断面が四角いのが特徴。

製麺法による分類に従うと、ベトナムのフーティウやタイのクイティアオと同様のもので、河粉系列に分類できます。


清潔な店内の様子(ホーチミン・ベンタイン市場西側の店舗)。

フォーの語源についてですが、Wikipediaを見るとフランス語のfeu(ポトフpot-au-feu のフー)から来た可能性が、と書かれていますが、個人的にはこれには懐疑的で、この麺料理の元となっているのは中国・広東省などで河粉(ホーフェン)と呼ばれている平打ち麺なので、その河(ホー)が転じたものと考えるほうがより自然だと思います。

第1回のフーティウ・ナンバンの時にも書いたように、中国華南地方と地理的に近いベトナム北部では、他の東南アジアに先駆けて麺料理が普及したと考えられています。

メニュー
フォー24のメニュー(クリックで拡大)。

今ではコンビニなどでフォー24のカップ麺も売っています。

フォー24のカップ麺
少々かさばるものの、なかなか本格的な味でおみやげとしてもおすすめ。2万1千ドン。

データ

料理名: フォー・ボー (phở bò)
場所: ベトナム・ホーチミンのベンタイン地区
麺の原料: 米粉
麺の種類: 河粉系列
: 牛の薄切り肉、肉団子、ハーブ、もやし、唐辛子など
店名: フォー24(Pho 24)