タイの首都バンコクとラオスの首都ビエンチャンを結ぶ国際列車が2024年7月19日に運行を開始しました。
早速、ビエンチャンのカムサワート駅からバンコクのクルンテープ・アピワット駅までこの列車に乗車する機会があったのでその時の様子を紹介します。

ビエンチャン市内中心部タラートサオ横のクアディンバスターミナルからはカムサワート駅行きの路線バス(12番)がでています。今回はこれを利用して駅に向かいました。

2024年7月末時点ではバスターミナル~カムサワート駅間のバスは1日6往復運行。所要時間は30分。さらに、カムサワート駅とラオス中国鉄道のビエンチャン駅を結ぶバスも1日3往復運行されています。それぞれの時刻表は以下でチェック可能。
https://drive.google.com/drive/folders/1zfcHcNrepu5MKitxM0e72OzEtBIaiGQo
ビエンチャン発バンコク行きの国際列車(列車番号134)がカムサワート駅を出発するのは午後6時25分。今回はバスターミナルを午後5時ちょうどに出発する便を選択しました。
バスは定刻にクアディンバスターミナルを出発。この時の乗客は私を含めて10人ほど。

駅までの距離は9km弱。運賃は片道2万キープ(約140円)。運賃は車掌が徴収しにくるため車内で直接払えばOKです。

パトゥーサイやビッグCなどを通りつつカムサワート駅に着いたのは予定よりやや遅い午後5時37分。

バスの車掌に聞いたところ、カムサワート駅発クアディンバスターミナル行きのバスは国際列車の到着時間に合わせて出発するため乗り遅れを心配する必要はないとのことでした。
カムサワート駅の駅舎は大きく・近代的。これまでのターナレーン駅とは大違い。構内にはスーツケースや大型バッグを持った乗客がパラパラといるといった雰囲気で混雑している感じではありません。


駅を入って右手、プラットホームの手前に出国審査場があります。20人ほどの列ができているのを確認後に並びます。

窓口は3か所用意されていたものの、前の乗客が手間取っていたこともあり出国手続きが終わったのは午後6時過ぎ。バンコク行きの列車は既に1番ホームに停まっています。

この国際列車の座席タイプは2等寝台、2等座席、3等座席の3種類。
今回は乗車日の1週間ほど前にタイ国鉄の予約サイトで2等寝台下段の乗車券を購入。バンコクまでは片道874バーツ(約3,800円)でした。

その他の座席の運賃は、2等寝台上段が784バーツ(約3,400円)、2等座席は574バーツ(約2,500円)、一番安い3等は281バーツ(約1,200円)となっていました。


この時、同じ列車でバンコクに向かう日本人の方と遭遇。色々教えて貰いながら車内に乗り込みます。


列車は定刻の午後6時25分にカムサワート駅を出発。

車掌の話では本日の2等寝台は満席とのこと。但し、この時はまだ半分ほどは空席。この後タイに入ってからノーンカーイやウドンターニーで乗ってくる客が多いものと思われます。
懐かしのターナレーン駅にも停車。既にラオス出国済みの身なので当然ですが、ここでは乗降はできません。
午後6時43分、メコン川を渡ります。ちょうど日が沈む時間帯。夕日で川面が染められたメコン川の美しさにしばし見とれます。

午後6時50分。ノーンカーイ駅に到着。

これまでノーンカーイ~ターナレーン間で運行されていた国際列車は利用者も少なく出入国手続きはすぐに済みましたが、今回は数百人が一斉に手続きをするため、入国するまで時間がかかります。

午後7時15分、タイに入国。タイは2024年7月16日から日本人などはビザなしでも60日間滞在可能になりました。今回の陸路入国でも全く問題なく60日の滞在許可を貰えました。
関連記事: 【タイ】ビザなし陸路入国でも60日間の滞在許可をもらえました 出入国カードも不要

また、出入国カードの記入・提出も免除されているためイミグレで提出するのはパスポートだけでよく、手続き自体は非常に簡単。
駅構内の時刻表を確認すると134号列車はノーンカーイ発午後8時15分との表示。かなり時間があるため駅の外に出て食事をすることにします。
駅前の屋台が並ぶエリアに向かうと先ほどの日本人がベトナム人と食事をしています。相席させて貰う事に。レオビール、ガパオライス、目玉焼きでちょうど100バーツ(約420円)でした。

お腹もいい具合に満たされ午後8時過ぎに再び駅に戻ります。午後8時15分、ノーンカーイ駅を定時で出発。

すぐにベッドメイキングが始まります。

午後8時59分、タイ東北部の中心都市ウドンターニーに到着。

カーテンを閉めれば狭いながらも快適なプライベート空間が誕生。この日は朝から動き回っていたためすぐに眠気が。

最後に歯を磨いてトイレに行って午後10時前には就寝。ウドンターニー以降の駅の記憶は一切無し。
翌朝、目が覚めたのは6時ちょっと前。寝台列車でこれほどぐっすり眠ったのは経験にないくらい。快適な目覚めです。
Googleマップで現在地を確認するともうすぐアユタヤ。

夜間、遅れもなく走行していたようでアユタヤを過ぎればバンコクはもうすぐ。途中、バンコクと東北部を結ぶ高速鉄道の建設現場も目撃。

ドンムアン空港最寄りのドンムアン駅に着いたのは午前7時13分。

そして、バンコクの新ターミナル駅であるクルンテープ・アピワット駅には定刻の午前7時30分に到着。

この後、馴染みのあるフアランポーン駅に立ち寄り、偶然にもキハが停車している様子を撮影したりして今回の鉄道旅は終わりとなりました。

今回乗車したビエンチャン発バンコク行き国際列車で印象に残った点。
・カムサワート駅出発が午後6時半頃でちょうど国境のメコン川で綺麗な夕焼け
・ノンカイ駅で約1時間半停車。夕食に街へ出ることが可能。タイ国鉄は酒類厳禁ですが駅外なら問題なし
・午後8時過ぎにノンカイ駅を出発すると寝台車両の座席はベッドに。ごろごろ横になったり、そのまま寝たりとリラックスできる
・翌朝、明るくなる午前6時頃には既にアユタヤ付近。バンコクまではあっという間
