スマートフォンを使ってタクシーを呼ぶことのできるアプリ、GrabTaxi(グラブタクシー)をフィリピン・マニラで使ってみたのでその感想や使い方を紹介します。
タクシー配車アプリというと日本でもサービスを開始したUber(ウーバー)の名前が浮かぶ方もいると思いますが、Uberの対象がハイヤーなのに対して、このGrabTaxiは一般的な普通タクシーを呼ぶためのアプリというのが大きな違いとなっています(但し、最近ではリムジンサービスも開始)。
公式サイトを見るとGrabTaxiはマレーシアの会社がMyTeksiという名前でスタートさせたアプリケーションで、現在は下記の東南アジア5カ国12都市でサービスを展開しているとのこと。
マレーシア: クアラルンプール、ジョホールバル、マラッカ、ペナン、クチン
フィリピン: マニラ、セブ、ダバオ
タイ: バンコク
シンガポール: シンガポール
ベトナム: ホーチミン、ハノイ
近日中にはインドネシア・ジャカルタにも進出すると書かれていますね。
今回は宿泊していたマカティのシティガーデンホテルからニノイ・アキノ国際空港ターミナル3(NAIA3)まで利用してみました。予約方法は基本的にどこでも同じなので、他都市で使う場合にも参考になると思います。
1. 事前の準備
App Store、Google Play、Windows storeなどからGrabTaxiをダウンロード後、まずは携帯電話番号と氏名を登録します。SMSでアクティベーションコードが携帯に送られてくるのでそれを入力することで登録が完了。これで使用可能になります。
2. 出発地と目的地を指定
それでは、早速GrabTaxiを使ってみましょう。
GPSが有効になっていれば出発地は現在地周辺が指定されていると思います。微妙に位置が違っていることもあるので乗車する正確な場所を選択し、次いで目的地も指定。
すると、下記のようにGrabTaxiに登録しているタクシーのうち周辺にいるタクシーの一覧が表示されます。
シティガーデンホテルからNAIA3までの距離は7.9km、117台の登録タクシーが周辺にいるとの表示。
その下に「GrabTaxi」か「GrabCar」かを選択できるようになっていますが、GrabCarというのはプレミアムリムジンサービスです。今回は普通タクシーで十分だったのでGrabTaxiのままで「NEXT」をクリック。
2. 運賃概算が表示される
画面が変わり、予想される運賃の概算が表示されます。今回の場合は204~306フィリピンペソと出ました。事前におおよその料金がわかるのは助かりますね。
さらに、チップの額(もちろんチップ0でもオーケー。その場合書き込む必要は無し)、ドライバーに特に伝えたいこと、プロモーションコードを入力する欄もあります。
必要な部分のみ記入し「Confirm Booking」をクリック。これで手続きは完了!簡単ですね。
3. 配車されるタクシーが決定!
配車されるタクシーが決まると、We found you a driver(ドライバーを見つけました)の文字と共に以下のような画像が表示されます。
タクシーのナンバープレートや現在どの程度離れた場所にいるのかがわかります。
「What’s Next?」をクリックすると、
タクシーの現在位置、おおよそ何分で到着するのかなどに加え、ドライバーの名前や顔写真(登録してあれば)も表示され、安心感がさらにアップします(ドライバーのジェラルドから許可を貰ったのでそのまま掲載しています)。
この画面上からドライバーに直接電話することや配車をキャンセルすることも可能です。
あとは画面を見ていると徐々にタクシーのマークが近づいてくるので、ホテルなどであればエントランス付近などわかりやすい場所で待っていましょう。ナンバープレートがわかっているのでこちらからも見つけやすいです。
タクシーに乗り込んでみると、ドライバーはこんな感じで車内にスマホを設置。
気になる手数料ですが、マニラの例で言うと、通常はメーターの金額にプラスしてブッキングフィー(予約手数料)70ペソが必要になります。
このブッキングフィーは利用都市によって異なり、バンコクでは25バーツ、クアラルンプールではマレーシア政府が定めている電話予約料金のみなどとなっています。
予約手数料についての説明は最初に表示されます。
メトロ・マニラでは通常70ペソ、GlobeのSIM利用者は割引があり50ペソ。また、サービスを開始したばかりのセブ市内ではプロモーション期間中でブッキングフィー無しで利用可能と書かれています(いずれも2014年5月末時点での情報)。
今回、メーターの金額は138ペソで、これに70ペソプラスして合計210ペソを支払いました。道路が空いていたこともあってか思っていたよりも安く済みました。
NAIA3に無事到着。
こうしてみると手数料が70ペソというのは結構高いなあと感じてしまいますね。ケソン市内から空港とか、もう少し距離のある場所であればそうでもないのでしょうが、マカティ~空港ぐらいだとちょっともったいない気もしてしまいます。
経験から言うとマニラ市内中心部の移動であればドライバーもメーターを使ってくれることが多いので、普通にタクシーを拾ったほうが安く・早く移動できるケースがほとんどだと思います。
ただ、GrabTaxiを使えば直接交渉するよりも安全ですし、ドライバーのデータなども利用後にきちんとメールで送られてきたりして何かと安心感はありますね。
個人的には、高水準なタクシーサービスが受けられる日本ではこういった配車アプリの必要性はあまり感じませんが、ぼったくり、メーター不使用、遠回りをするなどタクシートラブルが頻繁に起こる国では重宝されるのではないでしょうか。
そういう意味では東南アジアはタクシーの評判の良くない国が多いので、まさにぴったり(笑)。GrabTaxiだけでなく、Easy Taxi(イージータクシー)など同様のサービスが次々と参入してきているのも頷ける気がします。