コタキナバル国際空港におけるエアアジアのターミナル移転問題

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現在、エアアジアグループはマレーシアのコタキナバル空港(KKIA)で唯一ターミナル2(T2)を使用しているのですが、同空港を管理・運営するマレーシア・エアポート・ホールディングス(MAHB)は、昨年から同グループに対しターミナル1(T1)に移転するよう再三勧告を出しています。

(Photo by stratman² (2 many pix!))

今月1日にも再度公式アナウンスを出し、11月1日が移転期限であると警告。

これを受ける形で、エアアジアグループCEOのトニー・フェルナンデス氏は7日に声明を発表し、エアアジアがこれまでKKIAや周辺の雇用にいかに貢献してきたかということや、T1の空港施設料が高くLCCには向いていないこと、同グループが移転すると2017年にはT1の旅客対応能力を超えてしまうことなどを挙げ、エアアジアにとっても乗客にとっても移転するメリットが全く無い点を強調して反論しています。

さらに、先週になってエアアジアに1か月間の猶予が与えられ12月移転で合意したとの報道がありましたが、これは政府側の発言を引用する形のもので、確認できる範囲ではエアアジア側は現時点で正式なアナウンスは出していないと思います。

実際にエアアジア公式サイトで12月以降のコタキナバル線を検索してみても使用ターミナルはT2と表示されます。昨日、同社は2016年1月22日よりコタキナバルと中国・武漢を結ぶ路線を新たに開設すると発表しましたが、これも現状ではT2発着のままとなっています。

エアアジアとMAHBの対立はクアラルンプール国際空港におけるLCCTからKLIA2への移転時から始まったと思うのですが、この時は移転後も空港施設使用料を据え置くということで合意。ただ、エアアジアは現在でも誘導路などの保守・メンテナンスが不十分だとしてKLIA2に対する不満を述べています。

利用者にとってみると、KLIA2の時と同様に空港施設使用料を据え置くということであれば問題はないですし、エアアジア側も納得するのでしょうが、新設されたKLIA2と違ってKKIAの場合は既にT1を利用する他の航空会社から国内線RM9、国際線RM65を徴収しているわけで(T2は国内線RM6、国際線RM32)、問題はより複雑ですね。