マレーシア~シンガポール間の高速鉄道についてのまとめ

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昨日、マレーシア政府とシンガポール政府が両国を結ぶ高速鉄道計画の合意文章に調印しました。

マレーシア~シンガポール間の高速鉄道の合意内容
シンガポール陸上交通庁公式サイトより

二国間をまたぐ高速鉄道(HSR: High Speed Rail)とは具体的にはどういったものなのか、現時点で明らかになっている情報をシンガポール陸上交通庁や地元メディアなどの報道を基にQ&A形式でまとめてみました。

開業するのは?

今から10年後の2026年を予定。

距離や所要時間は?

クアラルンプールのバンダル・マレーシアとシンガポールのジュロン・イーストとの間の約350kmを1時間30分で結ぶ。同区間は既存の電車やバスで移動すると6~9時間程度かかっているため、大幅な時間の短縮が期待されています。

350kmというのは、台湾の高速鉄道(台北~高雄間)とほぼ同じ距離。

列車種別は?

停車駅やサービスによって以下の3種類に分けられます。

エクスプレス(Express): クアラルンプールからシンガポールまでノンストップの特急。
ドメスティック(Domestic): マレーシア国内だけを運行。各駅に停車。
シャトル(Shuttle): 両国境駅(イスカンダル・プテリ駅~シンガポール駅)間のみを運行。

エクスプレスとシャトルは両国が共同して運行事業者を選びますが、ドメスティックについてはマレーシアが単独で事業者を選定。

Illustration of the three HSR services (PDF)

駅の数は?

マレーシア側に7駅、シンガポール側に1駅の計8駅。

クアラルンプール (Kuala Lumpur)
↓↑
プトラジャヤ (Putrajaya)
↓↑
スレンバン (Seremban)
↓↑
アイル・クロー (Ayer Keroh)
↓↑
ムアル (Muar)
↓↑
バトゥ・パハ (Batu Pahat)
↓↑
イスカンダル・プテリ (Iskandar Puteri)
↓↑
シンガポール (Singapore)

クアラルンプールはバンダル・マレーシア駅(Bandar Malaysia)、シンガポールはジュロン・イースト駅(Jurong East)となる可能性も。

ルート的にはマレー半島の西側を走行。現在運行中のマレー鉄道よりもさらに海側を通ることになります。ジョホール海峡では新たに鉄道橋も建設。

国境駅となるイスカンダル・プテリ駅とシンガポール駅には出入国管理、税関、検疫を設置。特急を利用する場合は出発駅で出入国手続きを一度に行うことができます。

例として、クアラルンプールからシンガポールにエクスプレスで向かうケースでは、クアラルンプール駅でマレーシアの出国手続きとシンガポールの入国手続きを行い、シンガポール駅到着後の手続きは不要です。

Illustration of the co-located CIQ concept

また、シンガポールではMRT東西線、MRT南北線、MRTジュロン・リージョン線(建設計画中)に乗り継ぐことができるようになる予定。

入札時期は?

高速鉄道システムの国際入札が2017年第4四半期に行われる見通し。日本は新幹線技術での受注を目指していますが、中国などと競合することが予想されます。

航空業界への影響は?

ストレーツ・タイムズ(The Straits Times)の記事によると、現在シンガポールからクアラルンプールまで飛行機を使い移動している人は1日当たりおよそ6,000人いるそうです(関連記事)。

飛行機の場合、両都市間のフライト時間はわずか1時間ですが、市内中心部から空港へのアクセスや搭乗手続きなどを考えると、むしろ高速鉄道のほうが短時間で済むのではないでしょうか。

高速鉄道の運賃次第という面はあるものの、韓国や台湾の例を見ても高速鉄道開業後は島嶼部を除いて国内線が大幅に減っていますし、現時点で10社近い航空会社が参入しているKL~シンガポール間でもその影響は大きいものと思われます。

JOINT FACTSHEET BY THE LAND TRANSPORT AUTHORITY (LTA) & SPAD: HIGHLIGHTS OF THE KUALA LUMPUR-SINGAPORE HIGH SPEED RAIL BILATERAL AGREEMENT

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