タイ観光局(Department of Tourism)が、昨年1年間にタイに入国した外国人旅行者数を発表しています。
昨年は8月にバンコクで爆弾テロが起き、その後旅行者数が一時的に落ち込むなどしたものの、政局自体は比較的安定していたこともあって年間を通してみれば旅行者は増加。全体では2014年比で2割以上増え、約2,988万人でした。
国・地域別のトップ10は以下のような結果に。
国籍別入国者数ランキング(2015年)
順位 | 国・地域名 | 入国者数 | 2014年比 |
---|---|---|---|
1 | 中国 | 7,934,791 | 71.14% |
2 | マレーシア | 3,423,397 | 30.99% |
3 | 日本 | 1,381,690 | 8.98% |
4 | 韓国 | 1,372,995 | 22.31% |
5 | ラオス | 1,233,138 | 17.00% |
6 | インド | 1,069,149 | 14.64% |
7 | イギリス | 946,919 | 4.30% |
8 | シンガポール | 937,311 | 11.04% |
9 | ロシア | 884,085 | -44.97% |
10 | アメリカ | 867,520 | 13.62% |
(出典: タイ王国 観光・スポーツ省観光局)
特に目立つのは中国人旅行者数で、2位のマレーシアに倍以上の差をつけ793万人で断トツのトップ。2014年比で70%以上増加というものすごい伸びを示しています。タイを訪れる外国人の4人に1人は中国人という計算になりますね。
日本人旅行者は一昨年から9%増加し約138万人。これは2013年の154万人に次いで過去2番目に多い数字です。国籍別では中国、マレーシアに次いで第3位でしたが、4位の韓国が2割以上増加したため日本との差もほとんどなくなっています。
その他に気になるのはロシア人の減少幅の大きさ。一昨年160万人で3位だったものが88万人へと半減し、国籍別順位でも9位に下落。先日発表された訪日外国人旅行者数(関連記事)でもロシアからが唯一減少していましたが、こういうところにもロシアの経済状況の悪化具合がはっきりと表れていますね。
予定されていたタイの総選挙は2017年以降に持ち越しになったため、この点に限れば今年も政治的に大きな混乱は起きないのではと思われます。但し、テロや国王の健康問題あるいは中国経済の行方といった不確実な要素も幾つかあり、これらが今年のタイの観光客数にも大きく響いてくるのではないでしょうか。