プノンペン~シアヌークビル間の旅客列車が十数年ぶりに運行を再開したということだったので、今回プノンペンを訪れた際に様子を見に行ってきました。
プノンペン駅。直線的な意匠とシンメトリーが美しい駅舎はフランス統治下の1932年に建設。
訪れたのは日曜日の早朝。間もなくこの日唯一の列車が出発するというのに駅構内は人もまばら。
現在は週末限定での運行。
乗車券販売窓口。
今回は時間的に余裕がなく実際に乗車はしませんでした。窓口で「列車の写真を撮りたいんだけど」と伝えると、プラットホームに入るためにはチケットが必要とのこと。右端のブースで一番安いチケットを購入することにしました。
プノンペン~タケオが片道4米ドル。
プラットホームへ。
この時点で時刻は午前6時50分。午前7時ちょうど発の列車ですが、既に乗客は全員揃っているようでプラットホームへ向かう通路は閉められていました。チケットの注意書きにも「30分前には駅に着いているように」とあったので、今後利用を計画されている方はご注意下さい。
旅客車両は2両編成。
客車の後ろに貨物車も1両連結されていました。
先頭車両内の様子。
天井には扇風機が付いていますが、画像に写っているようにエアコンも完備。
2両目には地元カンボジア人のモデルだか芸能人だかも乗っていて、撮影のリハーサル中。
貨物車前方には発電機が置いてありました。これでエアコンなどを稼働させているとのこと。
一方、後方にはバイクが7、8台。料金を払えば、車、バイク、自転車なども運んでもらうことが可能。プノンペン~シアヌークビル間で車14ドル、バイク5ドル、自転車2ドルとなっています。
時刻表ですが、現在(2016年7月時点)は金~日の週末3日間に計6便を運行。路線はいずれもプノンペン~シアヌークビル間で、途中の停車駅はタケオとカンポットの2か所。スケジュールは以下のようになっています。
プノンペン→シアヌークビル
金曜日
プノンペン発15:00
↓
タケオ着16:30
↓
カンポット着19:40
↓
シアヌークビル着22:00
土曜日、日曜日
プノンペン発07:00
↓
タケオ着08:30
↓
カンポット着11:40
↓
シアヌークビル着14:00
シアヌークビル→プノンペン
土曜日、日曜日
シアヌークビル発07:00
↓
カンポット着08:40
↓
タケオ着11:50
↓
プノンペン着14:00
日曜日
シアヌークビル発16:00
↓
カンポット着17:40
↓
タケオ着20:50
↓
プノンペン着23:00
運賃はそれぞれ以下の通り。
プノンペン発: タケオ4ドル、カンポット6ドル、シアヌークビル7ドル
シアヌービル発: カンポット4ドル、タケオ6ドル、プノンペン7ドル
また、今年9月~11月にかけてはカンボジアの祝日に合わせた特別列車も運行されるとのこと。
特別列車の時刻表(PP=プノンペン、SHV=シアヌークビル)。
発車前の準備をするスタッフの中に一人だけ西欧人がいたので声をかけてみると、なんとカンボジア国鉄(Royal Railway)のCEOとのこと。
気さくなオーストラリア人のジョン。
「カンボジアの田舎の風景はすごく綺麗だから、ぜひ利用してみてよ。今後は所要時間も短縮するし、本数も増やす予定だから期待していいよ」とのことでした。
忙しい中で短時間会話させて貰っただけでしたが、腰が低く尚且つやる気と情熱に満ちた人物という印象で、こういう人がトップにいるのならばカンボジア国鉄の将来も明るいのではないか、と感じました。
列車が行ってしまうと、駅構内は一層閑散とした雰囲気に。次の列車は金曜日。それまでは子供たちの遊び場になるのかな?
カンボジアにおける旅客鉄道再開に至るまでの道のりは、地元英字紙プノンペンポストの以下の記事が詳しいので参考にしてみて下さい(もちろん、ジョンCEOも登場します)。
The Phnom Penh Post – All aboard: A history of Cambodia’s railways