アジアの麺料理 第3回「サーホーファン」

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アジアの麺料理、第3回はマレーシア・ペナンで食べたサーホーファン(沙河粉)です。

元々は中国・広州の沙河(サーホー)の名物だったことからこう呼ばれているようですが、字体の似ている「炒」という字と混同され、現在では炒河粉、チャーホーファンなどと表記・発音されることもあります。

ペナンのサーホーファンは、米粉から作った幅の広い「河粉」と極細の「ビーフン」の2種類を混ぜて使うのが一般的で、製麺法による分類に従うと、それぞれの麺は河粉系列及び押しだし麺系列に分類することができます。

2つの麺を炒め、エビ、豚肉、野菜などを入れ、とろみを付けたあんかけ仕立てにすれば完成。日本風にいうと「五目あんかけ焼きそば」というところでしょうか。

サーホーファン

今回食べたのはジョージタウンのペナン通りとカンポン・マラバーが交差する場所に建つ和平茶餐室。

和平茶餐室

一見普通の安食堂に見えますが、実は複数の屋台が建物の周りに張り付き、客はその建物内で食事ができるというスタイルで、和平茶餐室は屋台の店主に場所・水道を貸し、自らは飲み物だけを提供しています。

これは1920年代頃に都市衛生の観点から当時のイギリス政府の指導により勧められた営業形態で、ペナンやマラッカなどのいわゆる海峡植民地(Straits Settlements)にだけ見られる独特の形式のようです。

和平茶餐室 店内の様子
店内の様子。

ちなみに、このエリアは戦前は日本人街があった場所ということで、カンポン・マラバーの道路標識には「日本新路」という文字も記してありました。

カンポン・マラバー

データ

料理名: サーホーファン(沙河粉)
店名: 和平茶餐室(Kedai Kopi Ho Ping)
場所: マレーシア・ペナン島ジョージタウンのペナン通りとカンポン・マラバーとの交差点
麺の原料: 米粉
麺の種類: 河粉系列、押しだし麺系列
: エビ、豚肉、サイシンなど