カンボジアのシェムリアップからタイのスリンまで陸路国境越え

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先日、カンボジアのシェムリアップからタイ東北部のスリンまで陸路で移動した際の記録です。

シェムリアップ中心部の街並み
シェムリアップ中心部の街並み

シェムリアップからタイ国境のオスマックまでは約170kmの道のり。この間にはAmmcoという会社の定期バス路線があることは事前に把握済みでした。

このバスはシェムリアップではシティアンコールホテル(City Angkor Hotel)が発着場所となっているということだったので、前日のうちにチケットを購入しようとホテルに向かいます。

シティアンコールホテル
シティアンコールホテル

国道6号線沿いのホテルに着いてみると、Ammcoのカウンターらしきものは見当たらず。レセプションに行って尋ねることにします。

ホテルのレセプション

「明日、Ammcoのバスでオスマックまで行きたいんだけど」
『Ammcoは今問題があります』
「えっ、どんな?」
『雨期なので客が少ないのです。明日はバスは運行されないかもしれません』
「バスがダメな場合、ほかにオスマックに行く方法はある?」
『タクシーだと50ドルです』
「高いなー」
『とにかく明日朝8時前にここに来て下さい』

というやり取りがホテルスタッフとの間であり、明日の状況次第ということに。オスマックの国境は今まで一度も通ったことがなかったので、想定外の出費にはなりますがバスが運行されないならばタクシーをチャーターして行くことにしようと決めます。

当日は午前7時50分頃シティアンコールホテルに到着。急いでレセプションに向かうとホテルスタッフが済まなそうな顔で「やっぱり運休になりました。タクシーでもいいですか?」と聞いてきます。

タイ入国後にやりたいこともたくさんあったため、タクシーに早めに来てもらうようにお願い。クレジットカードが使えるというのでカードで支払います。

領収書
領収書

ロビーで10分ほど待っていると1台の乗用車が到着。やや古ぼけたトヨタ車。午前8時5分にホテルを出発。

タクシーでタイ国境へ

シェムリアップはアンコールワット観光の拠点の街ということもあって中心部は外国人観光客向けのホテルやらレストランやら土産物店やらが建ち並んでいます。ただ、街自体はまだまだ小さく、走り出してものの10分もすると片田舎という風景に。

田園風景

一部未舗装の区間はあったものの、道路状況はまずまず良好。通行車両も少なく快適です。それとは別に、カンボジアのドライバーってタイよりも運転がさらに荒っぽいですね。車の保有台数が増加するにつれ、最近は事故も急増しているという話でしたがそれも言わずもがなという感じです。

牛の群れが道路を横切る
牛の群れが道路を横切る

出発からちょうど2時間後の午前10時にタイとの国境の街、オスマックに到着。

オスマックに到着
国境ゲートが見えてきた

国境にはオスマックリゾート(O’Smach Resort)なるホテルもあり、カジノ目的のタイ人団体用バスが何台か停まっていました。

タイ・カンボジア国境

しかし、タイ人は本当ギャンブルが好きですね。タイ国内ではカジノが禁止されていることもあって、カンボジアやラオスの国境沿いの街では大体どこでも似たような光景が見られます。

出国審査場へ
出国審査場へ

カンボジアの出国審査は何の問題もなく終了。

出国審査場

歩いてタイ側へ。

タイ側へ

まずは入国審査場でタイの出入国カードを貰います。

タイの出入国カードを記入

審査場の建物の隣に椅子とテーブルが置いてあり、そこでカードを記入。書き終え、再度列に並び直します。

タイの入国審査場

タイ出入国管理局のキャッチフレーズは「Good guys in, Bad guys out」(笑)。

Good guys in, Bad guys out.

自分はどうやらgood guyだと認められたようで、無事タイに入国。一言、「今日はどこで泊まるのか?」と聞かれただけで、タイ出国用の航空券の提示などは一切求められませんでした。

ポイペト・アランヤプラテートの雑然・混沌とした状況に比べると、ここは至って平和で静かな国境。なお、タイ政府は2017年から陸路でのビザ無し入国を最大年2回までに制限しています。自分はこれで今年は残り1回ということに。

タイ側の街はチョンチョム(Chong Chom)という名前。国境ゲートを超えたすぐ右手にATMが2台(クルンタイ銀行とカシコン銀行)あり、ここでタイバーツを入手できます。ぱっとみたところ両替所や私設両替商などは見当たりませんでした。

国境ゲート近くにあるATM

チョンチョムからスリンバスターミナルまではミニバンが運行されています。

スリン行きのミニバン
スリン行きのミニバン

チョンチョム発スリン行きのミニバンのスケジュールは以下の通り。

スリン発チョンチョム行きミニバンの時刻表
時刻表

運行時間は午前5時半~午後6時半まで。本数はかなり多いですが、客の集まりが悪いと間引き運行されるとのこと。ここからスリンまでは約70km、運賃は45バーツです。

乗車券
乗車券

車内の後部座席は通常3列のところに無理やり4列も詰め込んでいるため、座席間隔はLCCよりも狭いくらい。スリンまでは1時間程度なのでなんとか我慢しましたが。

車内の様子
車内の様子

午前11時にチョンチョム国境を出発。すぐにチョンチョム市場で停車。この市場は規模が大きく、珍しいものも手に入るということでタイ人の間では人気のマーケット。ここでも数人が乗り込み車内は満席になります。

チョンチョム市場
チョンチョム市場

再発車後すぐに検問があり乗客全員がパスポートチェック、IDチェックを受けます。

その後は、舗装工事中の箇所やタイではお決まりの客を乗せてからの給油などはあったものの、おおむね順調に走行。

給油のために停車

スリンバスターミナルに到着したのは午後0時10分。約240kmの移動もこれで終了です。

スリンバスターミナルに到着
スリンバスターミナル

シェムリアップを出発したのが午前8時過ぎだったので、国境手続きなどを含めても所要時間は4時間ちょっと。

今回は乗る予定だったバスが運行されていないというハプニングはあったたものの、シェムリアップとタイ東北部間を移動するのには便利で簡単なルート・方法だと思います。