18年前の航空券運賃は?

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かつて、格安航空券ガイドという雑誌がありました。

誌名の通り、行先別の航空券運賃を掲載している情報誌で自分が本格的に海外旅行をし出した時期とちょうど重なる2000年前後に出版。

格安航空券ガイド
格安航空券ガイド

当時、各旅行会社は既に公式サイトは持っていたものの、実際に航空券を予約する際には電話で尋ねたりあるいは直接店舗に出向いて手続きをするしかなく、旅行前にはよくこの雑誌を買って料金や条件を比較していたことを思い出します。

2000年頃というのは、世界の航空業界に目を向けるとサウスウエスト航空やライアンエアーといった格安航空会社が徐々に勢力を拡大している時期ですが、アジアではまだLCC黎明期。当然日本からLCC便などは無く、旅の起点のバンコクに行く際に自分がよく乗ったのはビーマン・バングラデシュやエア・インディアといった航空会社でした。

前者は週1便、後者は週2便とどちらもかなり不便だったものの、安さに加え片道航空券やオープンチケットが簡単に買えたのが長所。それからちょっと高くなって米系のノースウエスト航空やユナイテッド航空。日系航空会社よりも安く、毎日運航というのが魅力でこれらもよく利用しました。

あれから20年近く経つわけですが、では一体この間にアジア行き航空券の運賃はどの程度変化したのか調べてみようと、格安航空券ガイドを参照してみました(※これが当時の最安値というわけではなく、あくまで情報が掲載されている中で安いものを幾つかピックアップしたに過ぎません)。

2000年時点の格安航空券運賃目安

成田発台北行き
シンガポール航空 28,500円(往復) 10日FIX
シンガポール航空 34,860円(往復) 180日オープン
ノースウエスト航空 36,000円(往復) 10日FIX
日本アジア航空 42,000円(往復) 10日FIX

羽田発台北行き
チャイナエアライン 43,000円(往復) 10日FIX

成田発ソウル行き
ユナイテッド航空 26,000円(往復) 30日FIX
ノースウエスト航空 33,000円(往復) 7日FIX
大韓航空 33,000円(往復) 8日FIX

成田発香港行き
ユナイテッド航空 38,800円(往復) 30日FIX
ノースウエスト航空 40,000円(往復) 10日FIX
キャセイパシフィック航空 43,000円(往復) 10日FIX
日本航空 51,000円(往復) 11日FIX
全日空 55,000円(往復) 11日FIX

成田発バンコク行き
ビーマン・バングラデュ航空 29,800円(片道)
ビーマン・バングラデュ航空 33,000円(往復) 30日オープン
ビーマン・バングラデュ航空 44,000円(往復) 60日オープン
ビーマン・バングラデュ航空 60,000円(往復) 1年オープン
エア・インディア 37,000円(片道)
エア・インディア 38,900円(往復) 45日FIX
ノースウエスト航空 44,800円(往復) 10日FIX
ユナイテッド航空 52,800円(往復) 30日FIX
全日空 55,000円(往復) 11日FIX
日本航空 58,000円(往復) 11日FIX
タイ国際航空 58,000円(往復) 11日FIX

成田発クアラルンプール行き
マレーシア航空 44,900円(往復) 11日FIX
日本航空 56,000円(往復) 11日FIX
 
成田発シンガポール行き
ユナイテッド航空 37,800円(往復) 30日FIX
全日空 44,000円(往復) 11日FIX
ノースウエスト航空 44,000円(往復) 10日FIX
シンガポール航空 46,000円(往復) 11日FIX

成田発マニラ行き
パキスタン航空 38,500円(往復) 30日オープン  
フィリピン航空 48,000円(往復) 14日FIX
日本航空 54,000円(往復) 15日FIX 

成田発デンパサール行き
ガルーダ・インドネシア航空 63,000円(往復)  22日FIX
日本航空 75,000円(往復) 22日FIX 

関空発ホーチミン行き
ベトナム航空 58,000円(学割・往復) 11日FIX
ベトナム航空 71,000円(往復) 11日FIX

航空券運賃例
航空券運賃例

どうでしょうか。目的地によっては今の方が安いというケースもありますし、それほど変わらないという場所もありますね。LCCの登場によって、当時に比べると路線数や便数が圧倒的に増えたというのは間違いないでしょう。

また、LCCのおかげで片道航空券を手軽に購入できるようになったことも大きな変化です。以前は片道航空券を購入できる航空会社は限られていましたし、往復で買うよりもだいぶ割高というのが一般的でした。

この20年ほどで航空券料金は思ったほど変化はしていないものの、航空会社・ルートの選択肢はかなり増加したというのが結論でしょうか。

ただ一方で、成田~プーケット線(タイ国際航空)や成田~ペナン線(マレーシア航空)などのように、かつては日本から直行便があったのに現在では消滅しているような路線も幾つか存在しています。

タイなどはこれだけ旅行者が増えた今でも日本からの直行便はバンコク1都市に限られていますよね。当時と異なりかなりのインバウンドが期待できますし、そろそろチェンマイやプーケットなどに直行便を飛ばしてもいいのではないかと思うのですがどうなのでしょう。両都市共にビジネス客はほとんど期待できないでしょうからやはりここはLCCの出番でしょうか。