先日、タイ国鉄の鈍行列車を利用してバンコクのフアランポーン駅からパタヤまで行ってきました。
パタヤ駅は数年前に興味本位で訪れたことはあるのですが、実際にこうして鉄道でアクセスするのは今回が初めてです。
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バンコク~パタヤ間の列車は現在も1日1往復のみ。平日は各駅停車(列車番号283)、週末は急行扱いとなる観光客向けの列車(列車番号997)が運行されています。
今回は平日だったので各駅停車の方。フアランポーン駅発が午前6時55分、パタヤ駅到着は午前10時34分というスケジュール。距離わずか155キロを約3時間40分かけてのんびりと移動します。
ちなみに週末のダイヤはフアランポーン発午前6時45分、パタヤ到着午前9時13分。各駅停車よりは1時間以上も短縮されます。どちらの列車も終着駅はバーンプルータールアン(Ban Plu Ta Luang)というウタパオ空港近くの駅でパタヤは途中駅ですのでお間違いなく。
なお、タイ国鉄のダイヤや各列車の運賃は以下で検索可能です。
Check Timetable & Fares – State Railway of Thailand
早朝6時15分、泊まっていたメトロホテル(Metro Hotel)という宿を後にし国鉄フアランポーン駅に向かいます。地下通路を通って5分ほどで到着。駅構内に入り14番窓口で乗車券を購入。
3等なので運賃はたったの31バーツ(約105円)。今回乗るような近距離列車は当日にならないと購入できないとのこと。
早速ホームに向かうとバーンプルータールアン行きは6番線から出発するとの表示。
まだ多少時間があったため駅構内2階に入っているブラックキャニオンコーヒーで何か買って車内に持ち込むことにします。このカフェについてはYINDEED MAGAZINEさんの記事が詳しいです。
バンコクで最も旅情をそそられるカフェ Part.1 | YINDEED MAGAZINE
コーヒーとクロワッサンを購入し、戻ってくると列車は既に入線済み。
タイ国鉄の3等車に乗るのは10数年ぶり。車内は当時の雰囲気のままという感じです。
最初はガラガラだった車内も出発時刻が近づくにつれ徐々に乗客が増え賑やかさを増してきます。
各車両には「顔や手足を出さないように」という注意書き。
バンコクを出発してしばらくは線路ギリギリで家や店舗が建っている区間が続くので確かに非常に危険です。それをこのあと身をもって体感しますが、その様子は動画でぜひ。
隣には1等客車を連結した長距離列車が。どこから来たのかわからなかったものの長旅を終えバンコクに着いたばかりのようです。
6時55分、定刻通り1分の狂いもなく出発。乗客は地元の方がほとんどだったものの外国人旅行者の姿もちらほらと。
しばらくはのんびりと走ったり停まったりを繰り返します。
出発して30分ほどでアソーク通りを通過。
このただでさえ渋滞が激しい道路もこうして列車が通る度に通過待ちをしなくてはならないわけで、車やバイクのドライバーにとっては正直迷惑でしょうね。ちなみに、タイ国鉄のアソーク駅はこのすぐ東側です。
この時間にすれ違う列車はバンコク近郊各県からやってきたものばかり。どれも満員です。タイ国鉄の列車はちゃんと通勤用としても使われているんだなあと改めて知ることができました。
フアマーク駅を過ぎたあたりからは急にタイの田舎という風景に変わります。
スワンナプーム空港近くのラートクラバン駅にはモンクット王工科大学のキャンパスがあるため多くの学生がここで下車。時刻は午前8時10分。
その後、列車はバンコク都からチャチュンサオ県へ。
8時50分過ぎにチャチュンサオ駅に到着。この駅はアランヤプラテートなど東方面行きとチョンブリーやパタヤなど南方面行きとの分岐になっています。そのせいもあってか乗降客は多く、ホームには駅弁売りの姿も。
目的地のパタヤまではまだ1時間半ほどかかるため、自分もここでガパオライスのミニセット(20バーツ)と水(10バーツ)を購入。
車内にも物売りが乗り込んできて熱心に商売を始めます。
チャチュンサオ駅を出発した後も列車は定刻通り順調に走行。むしろ順調すぎて予定より早く着くケースも多かったです。そのため、大きな駅に着くたびに時間調整のため長めの停車時間を取っていました。
日系企業も多く進出しているシラチャあたりまで来るとコンドミニアムが目立つように。ここまでくればパタヤはもうすぐ。
最後にバーン・ランプンという小さな駅で停まった後、再び数分ほど走りだし遂に本日の目的地パタヤ駅に到着。
時刻は10時35分。
列車の到着に合わせる形でソンテウやミニバスが待ち構えていてパタヤ中心部やジョムティエンビーチ、ナクルアなどへ移動することができます。
バンコク~パタヤ間はバスやタクシーでは単に高速道路を移動するに過ぎませんが、この鈍行列車で来るパタヤは道中全く違った風景に出会え、小旅行気分を満喫することができました。
もちろん急いでいる方には全くお勧めできないものの、手軽に旅情を感じることのできるパタヤ鉄道旅、1度くらいはいかがでしょうか。これがたった100円で楽しめちゃうのですから経験しないのはもったいないですよ。