シンガポールとタイ、外国人観光客受け入れ条件・対象国を比較

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現在、東南アジアで短期滞在の外国人観光客を隔離無しで受け入れているのはシンガポールとタイの2か国。それぞれの渡航条件や対象国を比較してみます。

シンガポール

まずはシンガポールから。観光目的でも入国できるのは以下のいずれかに当てはまる国・地域からの旅行者。現時点では日本は対象外。

感染リスクが最も低い国・地域(カテゴリー1)
台湾、中国、香港、マカオが該当。シンガポール到着時のPCR検査で陰性であれば隔離無しでの入国が可能。ワクチン接種の有無は問われず、また出発前の検査も不要と条件は緩め。但し、現在対象となっている4カ国・地域はいずれも帰国時に厳しい隔離措置を課しているため渡航者は多くないのが実情。

ATP Requirements & Process – SafeTravel

ワクチントラベルレーン(VTL)に指定された国・地域
現時点ではドイツとブルネイが該当。10月19日からはアメリカ、カナダ、イギリス、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、デンマークが対象となり、さらに11月15日には韓国も追加。条件はワクチン接種完了済み、出発前及び到着時のPCR検査、渡航はVTL専用フライトに限定。

Vaccinated Travel Lane (SC/PR) – SafeTravel

タイ

国・地域は問わずワクチン接種者であればプーケット及びサムイ島で隔離無しでの入国が可能。出発前及び到着時の検査及び事前の入国許可証(COE)の取得が必須。プーケットは国外からの直行便限定、サムイ島はバンコクから専用フライトで入島が可能。11月1日からは低リスク国・地域を対象に、ワクチン接種済みの旅行者をバンコクなどでも受け入れる予定。



11月以降の受け入れ条件詳細は今後明らかになると思いますが、現地報道によると出発前及び到着後のPCR検査は必須となる見込み。さらに保健省は、到着地にて最低1泊はするよう求めているとのこと。(例:スワンプーム空港から入国する場合、1日目はバンコクで宿泊)。

อนุทินสั่ง สธ.กำหนดเกณฑ์ปท.ได้สิทธิเข้าไทย แนะเปิดเป็นโซน พัก 1 คืน รอผล RT-PCR – Matichon Online

対象国としてアメリカ、イギリス、ドイツ、シンガポール、中国の名前が挙がっていますが、これをみると8月まで保健省が発表していた「低リスク国・地域」とは別物であると考えた方が良さそうです。一定以上の旅行者・観光収益が見込まれる国で、また基本的にはタイからの入国が可能な国を選んでいるような印象。実際、アヌティン副首相・保険相も現在シンガポールに対してタイからの渡航を認めるよう働きかけを行っていると発言しています。

“อนุทิน”เผยเปิดประเทศ ไม่จำกัดแค่ 10 ประเทศ ผ่านเกณฑ์เดินทางได้ทั่วไทย – กรุงเทพธุรกิจ

なお、日本は帰国後・入国後に10日または14日間の自宅待機措置が必要な上、タイに滞在歴がある外国人については上陸拒否対象としています。ただ、厳しい水際措置をとっている中国もリスト入りしているので日本が対象となる可能性も無いとは言えません。

新型コロナウイルス感染症に関する水際対策の強化に係る措置について | 外務省