2014年の航空機による事故率は過去最も低かったことが判明

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国際航空運送協会(IATA)が、昨年一年間の飛行機事故に関するデータを公表しています。

羽田空港

それによると、ジェット機による100万フライト当りの事故率は0.23で、これは歴史上最も低かったいうことです。わかりやすい数字に直すと、440万回飛行して1回事故が起きるかどうか、という割合になります。

過去5年間(2009年~2013年)の平均は0.58、昨年はその半分以下ということで事故件数自体はかなり少なかったわけです。大手航空会社の多くが加盟しているIATAメンバーに限るとその数字はさらに向上し、わずか0.12(830万回に1回)とのこと。

2014年はマレーシア航空やインドネシア・エアアジアなど身近なアジアでの事故が続いたため、印象としては飛行機事故が増えたのではないかという感じもしていたのですが、実際には正反対の結果でした。

昨年致死的な事故につながったものは12件あり、合計で641人が死亡・行方不明(この数字には、行方不明のマレーシア航空370便は含まれるものの、撃墜された可能性の高いマレーシア航空17便は航空機事故ではないとして対象外)。

件数は少なかったものの、比較的規模の大きな事故が多く、死者・行方不明者の数としては過去5年間の平均値517人を上回る結果となっています。

さらに細かく見ていくと、エリア別ではアジア・パシフィックは0.44、ヨーロッパ0.15、北米0.11、北東アジア0.0(いずれもジェット機のみによる数値)。また、ターボプロップ機はジェット機よりもやはり事故率が高いというデータも出ていて、昨年の数字は2.30。これも過去5年平均よりは改善していますが、数字上はジェット機よりもターボプロップのほうがちょうど10倍事故が起きやすいという計算になります。

それでも、昨年世界中で飛行機を利用した人は延べ約33億人、フライト数も合計で3,800万回あった中で、死亡事故は12件のみだったことを考えると、統計上飛行機がいかに安全な乗り物なのかがわかりますね。

細かなデータについては、以下のIATAによる公式プレスリリースを参照して下さい。