タイ国際航空、経営破綻も事業は継続 販売済みの航空券も有効

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タイ政府は、タイ国際航空(Thai Airways International)から申請のあった会社更生手続きを5月19日の閣議で承認したことを発表。事実上の経営破綻で、今後は破産裁判所の管理下で経営再建化を進めることになります。

この決定を受け、同社は公式サイトにアナウンスを掲載。旅客・貨物共にこれまで通り運航を継続していくことを明言し、既に販売済みの航空券についても有効であるとしています。



タイ国際航空公式サイトより
タイ国際航空公式サイトより

THAI Operates as Usual While Implementing Reform Plan Under Law

タイ国際航空は2013年以降の7年間のうち実に6度も最終赤字を計上。今回の新型コロナ禍以前から慢性的な経営不振に陥っていました。

会社更生手続きによって債務の返済は一旦停止され経営体制も維持されるものの、再建には不採算路線からの撤退や人員の大幅削減といった抜本的な経営効率化を行う必要があるでしょうし、また、新型コロナ終息後も航空需要の急速な回復は期待薄。「新生タイ国際航空」に待ち受けている道のりは決して平たんなものではないでしょう。

なお、タイ証券取引所(Stock Exchange of Thailand, SET)が公表しているデータによると、タイ国際航空の筆頭株主はタイ財務省(51.03%)ですが、それに次いで政府系投資ファンドのワユパックが計15%以上を保有。さらには、政府貯蓄銀行なども主要株主に名を連ねています。数字上は財務省の持ち株を数パーセント引き下げれば民営化という形を取ることも可能ですが、どうなりますか。