シンガポールは、観光客にも相互往来を認める「トラベルバブル」について香港と協議を開始することを明らかにしています。
オン・イェ・コング交通大臣が国会で発言したもので、香港側もトラベルバブル構想による旅行者受け入れを模索しているため、状況が整えば実現する可能も高そうです。
シンガポール政府はこれまでもニュージーランド、ブルネイ、ベトナム、オーストラリア(ビクトリア州を除く)からの旅行者を対象に隔離不要で入国を認める措置を行っていますが、これらはあくまでもシンガポール単独の制限緩和策であり、今回香港との間で話し合われる双方向のトラベルバブルとは種類が異なります。
単独での緩和策では、そもそも相手国側が一般的な海外旅行を認めていない場合や、またシンガポールから帰国後に2週間の待機期間が必要といった問題点があり、旅行者数は限定的なものにならざるを得ません。そのため、シンガポール政府では香港を始めとした新型コロナウイルス低リスク国・地域との間でトラベルバブルを推進していこうという動きに繋がったようです。
但し、香港側はシンガポール国内の現在の感染状況を「中程度のリスク」と判断していて、「低リスク」である中国本土やマカオなどからまず往来を再開させるべきとの意見も出ています。
ストレーツタイムズ(The Straits Times)が世論調査したところ、現時点でシンガポール国民がトラベルバブル対象国として望んでいるのは、韓国(40.7%)、日本(17.7%)、タイ(16.9%)がトップ3という結果に。
オン大臣は以前、隔離措置無しでの入国を認める基準として「人口10万人当たりの新規感染者が0.1人未満」と言及していたので、これが今でも有効であると仮定すると人口約1億2千万人の日本では1日の感染者が100人程度にまで落ち着かないと条件を満たさないことになります。
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いずれにしても、日本からの観光客が普通に旅行できるようになる国としては、東南アジアではシンガポールがまず最初になる可能性が高いのは間違いないでしょうね。