プーケット・サンドボックス、対象国拡大後の陽性率は変化したのか?

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タイのプーケットで行われている外国人旅行者受け入れプログラム「プーケット・サンドボックス」。

プーケットのビーチ

ワクチン接種済みであれば隔離無しでの入国が可能。9月までは対象国が限定されていましたが10月1日からはこれが撤廃され全ての国・地域からの旅行者が利用可能になっています。対象拡大後に入国時検査での陽性率は変化したのか気になったので調べてみました。

同プログラムを利用するためにはワクチンを規定回数接種済みで尚且つ出発前72時間以内のPCR検査の陰性証明が必須。入国に際しタイ政府が承認しているワクチンのリストはこちら

緩和前の7月~9月のプーケット・サンドボックスでの入国者は計38,699人。プーケット到着時の1回目の検査で陽性となったのは43人で陽性率は0.11%。

一方、受け入れ対象拡大後の10月1日~20日の入国者は13,426人。このうちプーケット到着時の検査で陽性となったのは24人で陽性率は0.18%。倍とまではいかないものの割合は多少増えてしていることがわかります。

入国後に行われる2回目や3回目(10月からは廃止)の検査、あるいは滞在中に濃厚接触者として検査を受け陽性となったケースもありますが、あくまで入国時点での数字で判断すると、ワクチン接種済み尚且つ出発前PCR検査で陰性でも1,000人あたり1~2人は陽性者がいるという計算になります。



プーケット・サンドボックスの利用者は累計で5万人以上に。

ここで、タイと同様に外国人旅行者の受け入れプログラムを行っているシンガポールの例を見てみます。

同国のワクチントラベルレーン(Vaccinated Travel Lane: VTL)はワクチンを規定回数接種済みで尚且つ出発前48時間以内のPCR検査の陰性証明が必須。タイのサンドボックスプログラムと条件的にはほぼ同じ。シンガポール政府が認めているワクチンのリストはこちら。中国のシノファームやシノバックが含まれているのもタイと同様です。

VTLは始まってまだ日が浅く、これまでの対象国もドイツとブルネイの2か国のみだったためデータは少ないものの10月8日時点で1,926人がVTL制度で入国し、到着時の検査で陽性だったのは2人だったとのこと。陽性率は0.1%ということになり、制限緩和前のプーケットとほぼ同じレベルということが言えると思います。

Update on Vaccinated Travel Lane for Brunei Darussalam and Germany | Civil Aviation Authority of Singapore (CAAS)

世界中でワクチン接種が進んだことで、今後日本を含め各国が水際措置を緩和する方向に進んでいくと思いますが、この程度のリスクは受け入れることが必要になるのでしょうね。