アジアの麺料理、第11回目となる今回はベトナム・ホイアンで食べたカオラウ(Cao lầu)を紹介します。
米粉から作られた太めの麺に、やや甘口のタレを少量和えて食べる汁無し麺で、具材としては揚げライスペーパーやせんべい風揚げ餅、豚肉、もやし、香草などを載せるのが一般的。
フォーやブンなどコシのない麺が主流を占めているベトナムにあって、モチモチとしたコシが特徴の麺料理で、ホイアンを代表する名物のひとつです。
カオラウを製麺するときに使うホイアンの井戸水には石灰分が多く含まれ、そのアルカリ性によって独特なコシの強い麺が生まれるとのこと。
元々ベトナム北部の麺料理だったフォーは現在ではベトナム全土で食べられるようになっていますが、このカオラウはホイアン以外の地域では見かけることはめったにないですね。
朱印船貿易の時代にはホイアンに日本人街があったことから、ガイドブックなどを見るとカオラウは「伊勢うどん」に起源があるという説がよく見られます。
ただ個人的には、カオラウという言葉が中国語由来(高樓)である点や、ホイアンには日本人以上に中国人(主に福建人)が多く移り住み、しかも長期間にわたり定住していた点などを考えると、これもやはり中国南部にルーツのある麺料理なのではないかなと思っています。
同じく東南アジアのタイには、ほぼ同様の発音をするカオラウ(เกาเหลา)という料理があります。タイでは麺を入れない具だけ(主に内臓系)のスープを指すのですが、これもタイ語文献などを見ると語源は同じ「高樓」から来ているというのが一般的な説のようです。
今回訪れたのはホイアン旧市街の世界遺産地区にあるチュンバック(Trung Bac)。地球の歩き方などにも載っている有名店です。
外観。
店内の様子。
店内から表通りを望む。
データ
料理名: カオラウ (Cao lầu)
場所: ベトナム・ホイアン
麺の原料: 小麦粉
麺の種類: 切り麺系列
具: 揚げライスペーパー、豚肉、もやし、香草など