タイにおける春節の定番挨拶「新正如意,新年发财」

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華人の多いタイでは春節(タイ語ではトゥルッチーン, ตรุษจีน)の時期になると、「新正如意」という言葉をよく目にするようになります。

中国で春節の挨拶として使われる新年快乐(新年快楽)よりもタイでは一般的。この後に新年发财(新年發財)と続け、「新正如意,新年发财」とするのが定番です。

新正如意,新年发财

これはタイ在住華人の大半を占める潮州人の習わしが持ち込まれ定着したもので、潮州語風にシンチアユーイー、シンニーホァッチャイと発音されます。タイ語ではซิงเจียหยู่อี่ ซิงนี้ฮ้วกไช้(またはซิงเจียหยู่อี่ ซิงนี้ฮวกไช้)と表記。

発祥である広東省潮州市のホームページを見てみると「春節の朝には親戚や知人の家を訪れ、新正如意、恭贺发财、添寿添福などの縁起の良い言葉で互いに新年の挨拶を交わす」と説明されています。

时年八节 | 潮州市人民政府



タイの華人の間ではこれ以外に万事如意、合家平安、心想事成、身体健康、招财进宝、新春大吉、迎春接福といったフレーズもよく使うとのこと。

プラユット首相による昨年の春節の挨拶(動画の一番最後に「新正如意、新年发财」)。

「新正如意」はタイだけでなく東南アジア各地の潮州コミュニティでも同様に春節の決まり文句。中国の他地域では馴染みがない言い回しなので、旧正月にこの言葉を見かけたら潮州にルーツを持つ人たちだと思って間違いないでしょう。

シンガポール。

マレーシアのクランには潮州系団体が作った「新正如意」という歌まで存在。