タイ空港公社(Airport of Thailand)が2015年上半期の利用者実績を公表しています。
同公社が管理・運営しているタイ国内の空港は、スワンナプーム、ドンムアン、プーケット、チェンマイ、ハジャイ、チェンラーイの6ヶ所。
国内線に注目して見ると、今年上半期の総旅客数は約2,300万人。その内、格安航空会社の旅客数は約1,510万人となっています。いずれも過去最高の数字なのですが、特に目立つのがLCCの伸びで、そのマーケットシェアは65.7%に達しています。
2010年以降の過去5年間の数値を調べてみましたが、これを見るとタイ国内でLCCのシェアが徐々に拡大していることがよくわかりますね。
タイ主要6空港の国内線旅客数とLCCシェアの推移
年 | 総旅客数 | LCC旅客数 | LCCシェア |
---|---|---|---|
2010年 | 21,549,308 | 9,792,165 | 45.4% |
2011年 | 24,765,695 | 12,142,563 | 49.0% |
2012年 | 28,437,557 | 14,350,912 | 50.5% |
2013年 | 33,063,538 | 17,980,725 | 54.4% |
2014年 | 38,397,519 | 24,119,282 | 62.8% |
2015年 | *22,978,495 | *15,101,916 | *65.7% |
(2015年については上半期のみの数値。 出典:タイ空港公社)
今回の統計に含まれないタイの地方空港のうち、昨年の旅客数が100万人以上だった空港は6つありますが、国内LCC便が全く無いサムイ空港を除くとLCC比率が7割以上の空港ばかり。そのため、これら空港のデータを加えるとLCCの比率はさらに上がるというのが実際のところです。
関連記事: タイ主要空港における2014年の利用旅客数
国内線のLCCシェアが高いのはタイばかりでなく他の東南アジア主要国も同様で、CAPAの分析によると、フィリピンで約70%、インドネシアやマレーシアで60~65%、ベトナムで50%弱とのこと。
(※CAPAは各航空会社の提供座席数をベースにデータを算出しているため、実際のシェアとは多少誤差があります。)
ちなみに、日本における国内線のLCCシェアは2014年時点で6.4%。今年2月に閣議決定された交通政策基本計画では、2020年の国内線LCCシェアを14%とするのが目標値となっているようです。
参考記事: LCC参入による地域への経済波及効果に関する調査研究 (PDF)