インドネシア・エアアジアX、成田―バリ(XT402便)搭乗記

シェア

格安航空会社インドネシア・エアアジアX(Indonesia AirAsia X)の成田~バリ(デンパサール)線を利用したので紹介します。

この路線は5月25日から運航を開始したばかりで、同社が日本への定期旅客便を開設するのもこれが初めて。マレーシアのエアアジアX、タイのタイ・エアアジアXと合わせ、エアアジアグループの長距離LCC3社全てが日本路線に揃ったことになります。

今回搭乗したXT402便は、成田発午前8時25分、バリ島到着が午後2時25分というフライトスケジュール。朝早いため都内からのアクセスは多少大変なものの、現地到着後のことを考えればまずまずのダイヤではないでしょうか。自分が利用した時点では月・火・木・土の週4便の運航でしたが、6月18日からは毎日運航になるとのこと。

成田空港第2ターミナル
成田空港第2ターミナル

タイ・エアアジアXと同様にインドネシア・エアアジアXも成田空港では第2ターミナルを使用しています。当日はフライト出発の約2時間前、午前6時半に成田空港に到着。

案内で確認するとデンパサール行きのチェックインカウンターは一番南のSとの表示。この便の1時間ほど後にあるタイ・エアアジアXのバンコク(ドンムアン)行きはNカウンターと異なっていたためご注意下さい。

出発案内表示
出発案内表示

ターミナル内を南に歩いて行くと、長蛇の列ができています。列は長く伸び、隣のRエリアまで達するほど。

チェックインカウンターは長蛇の列

「あぁ、これはだいぶ待たされそうだな」としばらくぼけっと並んでいたのですが、よく考えれば自分はWebチェックイン済み。列を外れて直接カウンターへ行ってみると、ちゃんとバゲージドロップ専用カウンターが設けられていました。

インドネシア・エアアジアXのチェックインカウンター
インドネシア・エアアジアXのチェックインカウンター

カウンターでは帰国便または次の目的地へのeチケットの提示を求められただけで、後はスーツケースを預けて手続きはすぐに終了。Webチェックインはフライトの14日前~4時間前まで可能なので、今後この便を利用される方は事前に済ませおくことをおすすめします。

搭乗時間まではまだ時間もあったため4階のカードラウンジへ。

T.E.I.ラウンジ
4階の端にひっそりとたたずむT.E.I.ラウンジ

時刻は午前7時。ちょうど開いたばかりでした。

ラウンジ内の様子
ラウンジ内の様子

本当に小さなラウンジです。アルコール類は1杯だけ無料。あとはソフトドリンクやコーヒーマシンが置いてある程度。食べ物はありません。

南側の保安検査場は午前7時30分オープン

この時は気づかなかったのですが第2ターミナルの保安検査場は北側と南側で開く時間が異なっているのですね。後で調べてみると、Sチェックインカウンターから近い方の南口は午前7時30分から、北口は午前7時からとのこと。

成田空港 – 保安検査場の運用時間と混雑時間帯について

この時は北口が既に開いていた事には全く気付かずに、結局7時半近くまでこのラウンジで時間を潰していました。早めにエアサイドに入っておきたい方は北口を利用しましょう。

南口がオープン後、すぐにセキュリティチェックと出国手続き。制限エリアに出るまでに15分ほどかかりました。時刻は搭乗開始予定時刻の7時45分。

搭乗券はペラペラのレシートタイプ
搭乗券はペラペラのレシートタイプ

若干早足でゲートに向かいます。着いてみると案の定というか搭乗はまだ始まっていません。待合エリアは多くの人でごった返しています。

搭乗口は70H
搭乗口は70H

結局、実際に搭乗開始のアナウンスが入ったのは午前8時10分。このゲートは地上階にあるため機材は沖止め、飛行機まではバスでの移動。

機材は大型のエアバスA330-300(プレミアムフラットベット12席、エコノミー365席)です。

インドネシア・エアアジアXのエアバスA330-300型機
インドネシア・エアアジアXのエアバスA330-300型機

機内に入り周囲を見渡してみるとほどんどの席が埋まっている状態。おそらく搭乗率は9割を超えていたのではないかと思います。

機内の様子
機内の様子

ビジネス利用がほぼない路線、さらに6月の平日(火曜日)という条件でこの混雑ぶりは正直驚きでした。エアアジアが早々に増便を決定したのも頷けます。

内訳はざっと見たところでは6割ぐらいが日本人。西欧人が1割程度。あとはインドネシア人を中心としたアジア系という感じでした。同じエアアジアグループのバンコク行きやクアラルンプール行きに比べて日本人女性客が多かったのも印象的。また、バンコク線でよく見るような地元の団体・ツアー客もまだおらず、客層・雰囲気は明らかに違います。

出発は定刻より1時間遅れの午前9時半。安定飛行後、しばらくして機内食が配られます。

この機材は元々長距離用ですが、インドネシア・エアアジアXではアセアン域内の近距離路線などでも運用していて、そのためかシートポケットにはメニューも2種類が用意されていました。

機内食メニュー
機内食メニュー

但し、成田~バリ線でオーダー可能なのは右側のAustralia/Japanと書かれたオレンジ色のメニューだけ。緑の方が種類も豊富で値段も安かったのに残念。

機内食メニュー

事前にオーダーはしていなかったものの、空腹に耐えかねて今までエアアジアの機内食で食べたことのなかったチキンライスを注文してみました。

機内食のチンおじさんのチキンライス
チンおじさんのチキンライス

結果は味も見た目もイマイチ。中の下という感じ。

機内食
チンおじさんもきっと悲しんでいる

料金はチキンライス9万ルピア、ホットコーヒー2万ルピア。支払いはインドネシアルピアと日本円が使えます。現金のみでクレジットカードは使用不可。ルピアの持ち合わせがなかったため円で払いました。100ルピアが1円換算だったのでルピアで払った方がお得です。

約7時間という比較的長いフライト時間、尚且つお昼を挟む時間帯ということもあってか日本人・外国人を問わず機内食を頼む人が非常に多かったですね。

機内アナウンスはインドネシア語、英語の順。日本語は一切なかったです。この日は途中、気流の悪いところが3~4回あり、その度にシートベルト着用サインが点灯。注意事項も放送されますが、これも当然のように日本語での説明はありません。以前JALやガルーダ・インドネシア航空でバリ島を訪れていた人にとってはちょっと大変かなという印象も持ちました。

ブランケットを頼もうとしたギャル系の子がいたのですが、有料とわかり「うっそー、そんな落とし穴もあるんだー」と言っていたのが結構ツボでした。LCC使っていなければ普通そう思うよね。

フライトアテンダントもインドネシア人だけだろうと思ったものの、写真を撮らせてもらうときに尋ねたら韓国人の乗務員が1人いました。ただちゃんとした日本語を話せる人は皆無。今後もこの路線はしばらくは日本人客がメインとなりそうなので、アクシデントなど緊急時の対応に若干の不安を覚えます。将来的にはタイ・エアアジアXのように日本人客室乗務員が採用されるとは思いますが。

インドネシア・エアアジアXの客室乗務員たち

この便に限らず、エアアジアグループのクルーたちは声を掛けるとすごくフレンドリー。みんな楽しそうに仕事をしています。

出発時の遅れがそのまま響き、到着も約1時間遅れの現地時間午後3時20分頃。

バリ島のングラ・ライ国際空港に到着
バリ島のングラ・ライ国際空港に到着

乾季に入ったバリ島の強い陽光が降り注いでいます。

入国審査場へ
入国審査場へ

入国審査は結構な行列。ただ、進みも非常に早く、思っていたほど時間はかかりませんでした。同じビザ無しで入国するのにしてもジャカルタに比べるとバリはチェックがだいぶ緩いです。この時は「バリには何日間滞在するの?」と一言聞かれただけ。

あと、インドネシア入国時に必要な税関申告書は機内では配布されませんでした。空港到着後に税関手前のカウンターに用紙が置いてあります。これに気付かない人が多く、かなりの人が引っかかっていたのでお忘れなく。

(2017年7月追記: インドネシアの税関申告書の書き方例

出迎えの人たち

10年ほど前まではバリを訪れる日本人は国別でトップだったこともあるのですが、JALによる直行便廃止などの影響を受けてその後の日本人旅行者数はじり貧状態。現在はオーストラリア人と中国人が年間100万人前後で2大勢力。日本人は20万人台と大きな差となっています。

インドネシア共和国観光省 – 2016年度外国人訪問者数

そんな中、今回のエアアジア・インドネシアXの就航はバリ島へ行く日本人旅行者にとっては久しぶりの明るい話題。実際に搭乗してみて日本で再びバリ人気が盛り上がりそうな雰囲気を十分感じることができたフライトでした。