タイ東北部にボロブドゥール寺院遺跡を模した建造物があるという事を聞き、行ってきました。
場所はローイエット県のシーソムデットという地区。ローイエット市内中心部からは車で南西へ30分ほど行ったマハーサーラカーム県との県境近くです。
正式名称はワット・プラチャーコム・ワナーラーム(Wat Prachakhom Wanaram, วัดประชาคมวนาราม)。またの名をワット・パー・クン(Wat Pa Kung, วัดป่ากุง)。
タイ政府観光庁公式サイトに詳しい解説が掲載されていたので、そこから少し引用してみます。
วัดประชาคมวนาราม หรือวัดป่ากุง | การท่องเที่ยวแห่งประเทศไทย (タイ語)
この寺にいたプラテープ・ウィスットモンコンという高僧がインドネシア・ジャワ島のボロブドゥール寺院を訪れたのは1988年のこと。その壮大さに感銘を受けた僧侶は、4年後の1992年よりこのローイエットの地にボロブドゥールを模した仏塔を造ることを決意。
建造には10年以上の月日が費やされ、完成したのは2004年10月。現在チェディ・ヒン(石の仏塔)と呼ばれるこの建物はタイで初めて天然砂岩で造られた仏塔としても有名である(引用ここまで)。
なるほど。
正門が開いている時間帯(通常:午前8時~午後5時)であれば参拝は自由です。入場料といったものはなく無料。
境内に入ってしばらくは鬱蒼とした林の中を歩きます。
この時は夕方5時近くという時間帯のせいもあってか、訪れる人も少なく、しんと静まり返っていました。
5分ほど進むと左手が急に開け、大きな建造物が見えてきます。
幅40メートル、高さは19メートル。ボロブドゥールにも行ったことがありますが、本物に比べるとかなり小振りです。
ちょうど昨日、TBSのテレビ番組「世界遺産」でボロブドゥールが特集されていて1辺120メートルと言っていたので、これはおよそ3分の1の規模ですね。
各層には回廊が巡らされ、小さなストゥーパや仏像が並んでいます。
下からだとわかりにくいものの、チェディ・ヒンは方形壇4層、最上部のみ円形壇という5層構造。方形壇の一番上までは階段を使って登ることができます。
最上部に置かれた釣鐘状のストゥーパは、中に安置されている仏像が見えるよう菱形や正方形をした格子状の窓があり、これはボロブドゥールと全く同じ造り。
ここには内部空間もあり中に入ることもできましたが、簡素な展示室といった感じで目ぼしいものは無かったです。
ここで本物と比べてみましょう。
上の画像がチェディ・ヒン。下の画像が以前撮影したインドネシアのボロブドゥール寺院。
並べてこう見比べると、やはり本物のスケールはけた違い。
ただいくら規模は小さいとはいえ、よくこれだけのものを造る資金があったなあと思いますね。高僧だからきっと寄付なんかもすごかったのでしょう。この寺の周辺には貧しそうな家々が多かったので、そのギャップには違和感も感じましたが・・・。
正直このためだけにバンコクから行くような所ではないものの、ローイエットを訪れたついでに立ち寄ってみるには十分面白い場所でした。ここだけでなくイサーンには変わった寺院が多く、それらを巡る旅というのも楽しそう。
ワット・プラチャーコム・ワナーラームへはローイエット市内中心部からソムデットを通るミニバンなどでもアクセス可能。街中で車をチャーターするかレンタカーで行くのも便利でおすすめです。