マレーシア 空港使用料値上げを巡る攻防

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航空券を購入する際には運賃以外にも様々な料金が諸費用としてプラスされますが、中でも現在乗客にとって負担の大きいものが燃油サーチャージと空港使用料(空港税)ではないかと思います。

クアラルンプール国際空港KLIA2の国際線出発ゲート
クアラルンプール国際空港KLIA2の国際線出発ゲート

昨年からの原油価格の落ち込みもあって、幸い、燃油サーチャージの方は廃止されたり引き下げられたりしていますが、反対に、空港を使用した際に発生する料金はここ数年各空港で増加しているのが目に付きます。

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ちょうど今も、マレーシアの全空港を対象に来年1月より空港使用料(以下PSC)を引き上げる計画が進んでいるところです。

The Sun Daily – New airport tax effective Jan 1, 2017: Liow (Updated)

上記記事によると、国内線のPSCは現行のRM9からRM11に、国際線はアセアン域内はRM35と低く抑える一方で、それ以外についてはRM73にするとのこと。

現状、クアラルンプール国際空港のPSCはターミナルによって異なり、KLIAで国際線を利用した場合はRM64。一方、KLIA2はRM32です。新しい案ではこれが統一されるため、KLIA2における国際線PSCは一気に倍以上に引き上げられることになります。

この報道を受け、エアアジアはすぐに反対を表明。KLIA2を発着するフライトの9割以上はエアアジアグループの便ですので、これはまあ当然ですね。

The Star Online – AirAsia to appeal against increase in airport tax

エアアジアは料金をall-in fare(全部込み)で表示していますが、仮にPSCがこの計画通りに引き上げられるとすると、例えばクアラルンプール~羽田線の料金はこれまでよりも約1,000円余分に高くなる計算になります。

このところのマレーシアリンギット安もあって、クアラルンプール国際空港の現時点でのPSCは日本円に換算するとKLIAで約1,600円、KLIA2は約800円と確かに周辺国の主要空港に比べると安い部類に入ることは事実です。

The Sun Daily – PSC in Malaysia ‘one of the lowest

ただ、やはり旅行者とすればできるだけこのままの料金で据え置いて欲しいところですよね。