バンコクのパドゥンクルンカセーム運河で運航されている定期船に乗ったので紹介します。
この船は今年9月に運航が開始されたばかりで、フアランポーン駅近くにあるフアランポーン船着場とドゥシット地区のテウェートを結んでいます。現在は試験運用期間中ということもあって全区間無料で乗船可能です。
全長5kmほどの間に船着場は計10か所。
- テワラート・クンチョン
- テウェート
- プラチャティパタイ
- ラーチャダムヌン・ノーク
- ナコーンサワン
- イエーク・ラーンルアン(ラーンルアン交差点)
- クラスワン・パランガーン(エネルギー省)
- ヨッセー
- ノッパウォン
- フアランポーン
運航ルートや各船着き場の位置などの詳細は下記地図を参考にして下さい。
今回はフアランポーン船着場から乗船。船着場は国鉄フアランポーン駅やMRTフアランポーン駅の北側に位置しています。
運航時間は平日が午前6時~午後8時、土・日・祝日は午前8時~午後8時。曜日・時間によって運航頻度も異なり、以下のようになっています。
平日
6:00~9:00: 20分間隔
9:00~16:00:30分間隔
16:00~20:00 : 20分間隔
土・日・祝日
8:00~20:00 : 30分間隔
フアランポーン船着場に着くと、対岸に青いボートが係留されているのを発見。
「あー、あの船だな」と思いしばらく待っていたのですが、実際にはその横に停泊していたさらに小型の白いボートが登場。
よく見ると、船にも乗務員のジャケットにもタイ海軍(กองทัพเรือ)と書かれています。通常は先ほどの青いボートが使われるようですが、この時はなぜかタイ海軍のボートで行くことに。
平日の昼間ということもあってか、フアランポーン船着場で乗船したのは自分を含めて4人だけ。
席に座ると乗客にライフジャケットが配られ、着用するよう言われます。
バンコクではセンセープ運河のボートには何度か乗ったことがあるのですが、それに比べると速度はかなり控えめ。
衣料品の卸として有名なボーベー市場付近。橋の上にもびっしりと露店が並んでいます。
センセープ運河と交わる箇所。ロングテールボートが爆音を上げて行き来しています。
道路で言えば向こうの方が本線という感じで、こちらはほぼ停止するまでスピードを落とし、左右をよく確認してから再びゆっくりと進んでいきます。
各船着場では地元の人たちが乗ったり降りたり。見慣れたバンコクの街並みでも、目線の位置が変わるとなんとなく新鮮な感じです。
反対方向の船とすれ違う。
パドゥンクルンカセーム運河はラーマ4世の治世である1852年に建設されたもので、一般的に、この運河とチャオプラヤー川に囲まれたエリアがバンコクの「旧市街」と呼ばれます。
乗務員は先頭1名と後方に船外機担当1名の計2名が乗船。船外機は安心のヤマハ製。
船の後方にはためくのは、タイ海軍旗。タイ国旗の中央に象が描かれています。
途中からは外国人旅行者の姿もちらほらと。
フアチャーン(象の頭)の装飾が施されたマカワンランサン橋。この上はラーチャダムヌン・ノーク通り。周辺は政府関連施設が多く、タイ政治の中心地。
終点のテワラート・クンチョン船着場(テワラート市場)に到着。フアランポーン船着場からここまで約20分の船旅でした。
チャオプラヤー川に出たい場合もここが最寄りの船着場です。ひとつ手前のテウェート船着場で下船してしまわないように。
チャオプラヤー川にあるテウェート船着場とパドゥンクルンカセーム運河のテウェート船着場は名称こそ同じものの、両者の間は500メートル以上離れているのでご注意下さい。
テワラート・クンチョン船着場からチャオプラヤー川までは歩いて2~3分とすぐ。
チャオプラヤー川のテウェート船着場に到着。ここからはチャオプラヤー・エクスプレスに乗って移動することができます。
今回初めてパドゥンクルンカセーム運河のボートを利用してみましたが、途中にこれといった見どころや外国人旅行者に人気のスポットがあるわけではないため、やはりローカル向けだと思います。ただ、渋滞に影響されずに移動できるのは気持ち良く、想像以上に快適でしたね。
乗船している間、この感じどこかで経験したなあと思い出していたのがフィリピン・マニラで利用したパッシグ川のリバーボート。こちらは運河ではないため川幅はだいぶ広いものの、乗客の様子やのんびりした雰囲気は別の国とは思えないほどよく似ていて懐かしくなりました。
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