ベトナム最大の格安航空会社、ベトジェットエア(Vietjet Air)について特徴や予約時の注意点などを詳しく紹介します(2018年10月20日情報更新)。
ベトナムを訪れる日本人旅行者はここ数年順調に増加していて、2017年は過去最高となる79万8千人を記録。ベトジェットエアは2018年11月より日本就航も予定しているということで、今後同社のフライトを利用する日本人も増えると思います。
公式サイト

就航先に合わせ、現在はベトナム語、英語、日本語、タイ語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)に対応。公式サイトでの予約方法自体は特に難しい点は無いものの、就航都市が増えたことでやや使いづらくなっています。
ビキニ航空
この航空会社は有名にしたのは何といっても新路線就航を記念して2012年に機内で行なった水着ダンスショー。これが口コミで一気に話題となり、これ以降はビキニ航空(Bikini Airline)という代名詞で世界中にその名を知られるようになりました。
その時の映像がごれ。
無許可でイベントを行なったということでベトジェットエアはベトナム政府から罰金を受けたものの、その後もう一度同様のショーを行なっています。最初から批判を覚悟で話題性を狙ったものだということは間違いなく、それが思惑通り成功した形ですね。
この時実際にビキニを着用していたのはモデルたちで、通常ベトジェットエアのフライトアテンダントたちが着ている制服はカジュアルスタイル。同じ東南アジアのLCCでもエアアジアのようにセクシーなユニフォームではありません。

保有機材
現時点ではエアバスA320、A321、A321neoの3機種を保有しています。

さらに昨年、ボーイング737MAXを100機オーダーしたことが大きなニュースとなりました。これは2019年以降順次受領予定。
現在運用中のエアバスA320は真ん中の通路を挟んで3列・3列の座席配列で計180席、A321及びA321neoは同様に230席。各機材共に機内エンタメやWi-Fiの設備はありません。

最前列と非常口席を除くと座席間隔は狭く、シートピッチで言うと29インチ。これはバニラエア、ジェットスター・ジャパン、ピーチといった日本のLCCとほぼ同じです。
ベトジェットエアの機材は新造機がほとんどのため年数的には新しいものの、メンテナンスのせいなのか客の使い方が雑なのか、座席周りはガタが来ている事が多いというのがこれまでの経験による印象。
路線
2011年末に定期路線を開設以後、順調にネットワークを拡大。国内主要路線にはほぼ就航済みで、国際線も次々と新規路線を開設中です。
国内の就航都市は、ホーチミン、ハノイ、ダナン、ニャチャン(カムラン)、ハイフォン、ヴィン、フエ、フーコック島、ダラット、バンメトート、クイニョン、カントー、タインホア、ドンホイ、チューライ、プレイク、トゥイホア。
国際線としては、 タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、ミャンマー(ヤンゴン)、シンガポール、カンボジア(シェムリアップ)、台湾(台北、台中、高雄、台南)、韓国(ソウル、釜山、大邱)、香港、マカオなどに就航。日本では成田、関空への就航が決まっていて、2019年中には羽田線も計画されています。
関連記事: ベトジェットエア ホーチミン―ヤンゴン(VJ831便)搭乗記
この他、ビーチリゾートして人気の高いニャチャンからは上海(浦東)、成都、杭州、寧波、天津、武漢、無錫といった中国主要都市への路線も運航中。
東南アジアの他のLCCと比較すると東アジア路線の比重が高いのが特徴で、これはベトナムが東アジアに近いという地理的条件が大きな理由でしょう。

航空券の種類
座席クラスとしてはエコノミークラスしかないものの、航空券は運賃タイプにより以下の3種類が設定されています。
プロモ (Promo)
期間限定、座席数限定のセール・プロモーション運賃。
エコ (Eco)
一般的な航空券。受託手荷物や座席選択をする際は別料金。
スカイボス (Skyboss)
受託手荷物(30kgまで)、座席選択、フライト変更などが追加料金無しで可能なほか、ラウンジ使用や優先チェックインといった特典も受けられる。
セール・プロモーション
よく行われるのが正午~午後2時までの時間を限定してのセール。ベトナムは日本とは2時間の時差があるため、日本時間では午後2時~午後4時まで。

国際線・国内線に関わらず上記のように0ドンセールというのも時々開催。航空券運賃は無料なものの諸費用は別途必要です。
セール・プロモーションは公式サイト及びfacebookページで告知されます。
公式サイト: http://www.vietjetair.com/
facebookページ: https://www.facebook.com/vietjetvietnam/
手荷物
機内に持ち込み可能な手荷物は7kgまで。サイズは56cm×36cm×23cm。この他、小型のバッグ(ハンドバッグやパソコンケースなど)の持ち込みが許可されています。受託手荷物は有料。但し、運賃タイプがスカイボスの場合は機内持ち込みは10kgまでOK、受託手荷物も30kgまで無料です。
チェックイン時に機内持ち込み荷物には必ずタグが付けられ、このタグのない荷物は持ち込みを拒否されるケースがありますのでご注意下さい。
受託手荷物の料金ですが、国内線で15kgまでの荷物を預ける場合は事前予約だと14万ドン(約700円)。国際線は路線により料金が異なり、15kgまでの場合は26万~50万ドン(1,300円~2,400円)。
当日空港で申し込む事もできるものの事前予約に比べると倍近い料金を取られてしまうため、荷物を預ける場合はできるだけ航空券購入時に済ませてしまいましょう。
座席指定
スカイボス以外の航空券は座席指定が有料。座席タイプは3種類あり、指定する際の料金も異なります。
プレミアムシート (Premium Seat)
機内前列の席。国内線9万ドン、国際線15万ドン。
非常口席 (Exit Row)
国内線9万ドン、国際線15万ドン。
フロントシート (Front Seat)
機内前方、プレミアムシートの後ろの席。国内線4万ドン、国際線9万ドン。
一般席 (Normal Seat)
上記以外の席。国内線3万ドン、国際線5万ドン。

チェックイン、Webチェックイン
Webチェックインができるのは一部路線のみ。現時点(2018年10月時点)では下記3空港を出発する国内線に限定されています。
- タンソンニャット空港(ホーチミン)
- ノイバイ空港(ハノイ)
- ダナン空港
そのため、特に国際線ではチェックイン時にカウンターがかなり混雑するケースがあります。できるだけ早めに空港に着いて搭乗手続きを済ませることをおすすめします。

ホーチミン、ハノイ、ダナンの3空港では、有料でプライオリティチェックインサービスも提供されています。料金は5USドル(税別)。行列があまりに長く、待つのが嫌な場合はスカイボス専用カウンターに行き、料金を払えば優先して手続きをして貰えます。
機内食
機内食は比較的安く、国内線と国際線で料金が大きく異なるのも特徴。

国内線の場合、ご飯類・メインディッシュは5~7万ドン(250~350円)、フォーなどのカップヌードルは3万5千万ドン(170円)、水・コーヒーなどのドリンク類は2~3万ドン(100~150円)程度とかなりリーズナブル。

一方、国際線はご飯類は10万ドン(500円)、カップヌードル5万ドン(250円)、ドリンク類は4~5万ドン(200~250円)といった感じで国内線の1.5~2倍。割安感はそれほど無くなります。
JALとの提携
2018年10月28日より関空~ハノイ線、ホーチミン~ハノイ線、ハノイ~ダナン線、ホーチミン~ダナン線の計4路線でJALとコードシェア(共同運航便)を開始。
Japan Airlines and Vietjet to commence codeshare flights
タイ・ベトジェットエア
ベトジェットエアはベトナムの航空会社ですが、タイにも系列のLCC、タイ・ベトジェットエア(Thai Vietjet Air)を設立しています。2016年9月より定期運航を開始。2レターコードはベトジェットエアがVJに対し、こちらはVZ。

現在はバンコク~チェンマイ、バンコク~プーケット、プーケット~チェンラーイなどの国内線に加え、バンコク~台中、バンコク~ダナン、バンコク~ダラット、バンコク~ハイフォンなども運航中。予約はベトジェットエアの公式サイトから可能。使用機材や制服なども基本的にベトジェットエアとの大きな違いはありません。
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