格安航空会社のピーチ(Peach)が運航するバンコク~那覇線を利用したので紹介します。この路線、今年の2月19日から運航を開始したばかりで、沖縄とタイを結ぶ唯一の直行便。
現在デイリー運航されていますが、那覇発・バンコク発共に曜日によって出発時間が最大1時間程度前後している点は注意が必要です。3月26日以降の夏ダイヤでもさらに多少変更されるようなので詳しくは公式サイトでチェックして下さい。
当日のフライトスケジュールはバンコク発が午前2時5分。出発が通常より50分程遅く、言い換えればバンコクに一番長く滞在可能(笑)。夜11時過ぎまでバンコク市内で飲んでいたため、多少酔っぱらった状態で帰国する羽目に。これはまあ自業自得ですが・・・。
ピーチのバンコク便はWebチェックインには未対応ということで、深夜0時半頃までには空港に到着しておきたいところ。スクンビットのホテルからスワンナプーム空港までは以前も使ったuberXの定額料金300バーツ(高速料金は別)を利用しました。
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夜中ということもあり渋滞も全く無く所要時間は30分ほど。0時20分にスワンナプーム空港に到着。
今回自分はUberを使いましたが、市内からスワンナプーム空港行きのエアポートリンクは深夜0時頃まで走っています。電車でもアクセスできる時間帯というのは便利な点ですね。
ピーチのチェックインカウンターはANAと同じエリア。
スワンナプーム空港は広いため、タクシーなどでアクセスする場合はエントランス6番を目印に車を付けてもらうと、その後の移動が楽だと思います。
ターミナルに入ると、Mチェックインカウンター周辺に結構な行列が出来ていて、これに並ぶのかと一瞬焦りましたがよく見ると隣の大韓航空の列。
ピーチのカウンターはガラガラでほっと一息。この日はM10~M12がピーチ用として割り当てられていました。
地上業務はバンコクフライトサービス(Bangkok Flight Services)に委託。スワンナプーム空港に就航する航空会社のうち、路線数・運航本数の少ない会社がよくここを使っていますね。以前乗ったカンボジアアンコール航空とかタイ・ベトジェットも同様でした。
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チェックインの際にスタッフから「搭乗ゲートはE7です。遠いので早めに移動して下さい」との忠告が。
意識的なのかどうか知りませんが、このフライトの便名はタイ人にとっては縁起の良い990便。タイ語で9(เก้า)というのは進歩する(ก้าว)という言葉と全く同じ発音のためタイ人が最も好む数字です。
ボーディングチケットを見ると搭乗開始予定時刻は午前1時5分との表記。ゲートクローズは1時50分と手書きで書いてありますし、出発は午前2時5分で変更がない模様。おそらくこんなに早く搭乗できないのでは?。
夜遅い時間ということもあって、セキュリティチェック・出国審査共に空いていてあっという間に通過。この時点で時刻は0時40分。案内表示に従って、Eゲート方向に向かいます。
スワンナプーム空港の国際線搭乗ゲートはC、D、E、F、Gとありますが、一番近いのがDゲート。その他のゲートは基本的に数字が大きいほど出国審査場から遠いゲートという造りになっています。
ここまで順調に来たため、予定通りに搭乗が始まるとしてもまだ時間は十分。ラウンジに寄っていくことに。
F2ゲート近くにあるエールフランス・KLMスカイラウンジ。昨年末からここもプライオリティパス(Priority Pass)対象ラウンジになっています。
楽天プレミアムカードだと追加費用無しでプライオリティパスの会員になれるため海外旅行に行かれる方は1枚持っておくと便利です。
ここで酔い覚ましにソフトドリンクを飲んだり休憩したりして40分ほど過ごします。
E7搭乗口に着いたのは午前1時半ちょっと前。
案の定というか搭乗はまだ始まっていませんでした。ただ、既に機材は那覇から到着済み。待合エリアはずいぶん混雑していて、これ全部エアバスA320に乗り切れるかなというくらいの人で溢れかえっています。
搭乗開始のアナウンスが入ったのは結局午前1時40分を過ぎてからでした。機内に入り席に着いてから客室乗務員の方に伺うと、今日の乗客は何と178名。180人乗りの機材ですので、空席わずか2席。
さらにそのうちの6割以上がタイ人とのこと。恐るべしタイ人。それ以外にも、確認できただけでも西欧人や中華系の人たちも乗っていたので、日本人旅行者は2~3割というところでしょうか。
自分の隣の席もタイ人カップル。男性の方は日本語が結構できて、ちょっと話したところでは那覇の後は大阪に飛んで帰りは関空からエアアジア(タイ・エアアジアX)でと言っていました。ピーチが沖縄に就航したことで、そういう楽しみ方もできるようになったのですね。
今回のフライト中、一番驚いたのは出発前の機内アナウンス。
「離陸後、那覇までのフライト時間は3時間35分を予定しております」。3時間35分!短い。日本~タイ間の飛行時間ではないですね。さすが沖縄。
座席間隔は狭いです。3~4時間なら何とか我慢できるかなという感じ。
日系の航空会社だけあって、シートベルトをきちんと締めているか、手荷物が所定の場所に置いてあるかなど、安全にかかわる確認事項を出発前に非常に細かくチェックしていたのが印象的。
但し、機内アナウンスや非常用設備についてのデモンストレーションは日本語と英語のみ。タイ語での説明は一切ありません。日本人の自分には全く不都合はないものの、おそらく今後も乗客の大半はタイ人が占める路線でしょうからここは改善してもいいのではと感じました。
予定より10分ほど遅れて出発。水平飛行後、通常なら食事の時間ですが、機内食をプリオーダーまたはその場で注文している人はほとんどいませんでした。
深夜便でさらに飛行時間も短いため何かを食べたいという方も多くはないでしょうからこれはまあ当然。機内食が有料のLCCの場合、フライト時間帯というものも売上を大きく左右する要素の一つなのでしょうね。
すぐに消灯され、あとはお休みタイム。自分もまだ軽く酔いが残っている状態だったので、あっという間に夢の中へ。
目が覚めたのは機内が再び明るくなってから。沖縄周辺の気流が悪い影響か、降下開始後は細かな揺れがずっと続きました。午前8時過ぎ、那覇国際空港に無事到着。
今回実際に搭乗してみて、思っていた以上にバンコクと那覇は近いなあという印象を持ちました。
まあほとんど寝ていたからというのもありますし、ジェット気流の関係でバンコク発便の方が那覇発便よりも飛行時間が30分以上短いということも大きいですね。
利用する前は時間帯がどうかなあとも感じていましたが、よく考えればANA、JAL、タイ国際航空など大手キャリアでもバンコク発が深夜というのは一般的。日本到着がちょうど朝というのはその後の移動を考えても都合がいいです。
反対に、那覇発のバンコク行きだと到着は早くても深夜0時半近く。バンコクのエアポートリンクは既に終了している時間ですし、宿泊先などへはタクシーでアクセスするしか方法がなくなります。入国審査&荷物受け取りなどで午前1時頃。さらに、両替してSIMカード入手してそれからようやく移動と考えるとホテルへチェックインできるのは午前2時近く、到着の遅い便だと午前2時半頃になってしまいそうです。
この時間からだとホテル代ももったいないので、空港近くにある格安のトランジットホテルで1泊して、翌朝市内に出るというのも一つの方法かもしれません。
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この他に空港内にある簡易宿泊施設に泊まる手もありますが、ここはやや割高かなという感じもします。
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ということで、日本人がピーチの那覇~バンコク線を利用する場合にどちらか片道を、というのであれば間違いなくバンコク発便の方をおすすめしたいです。
ただ、バンコクへは直行便や経由便で日本各地から結構安い航空券が出ていますし、ピーチのこのフライトも料金的にものすごく安いというほどではないため、関東や関西に住んでいる日本人がわざわざこの便を利用するためだけに那覇を経由するというのはちょっと現実的ではないでしょうね。
九州・沖縄方面の話題で言えば、昨年10月にジェットスター・アジア航空が福岡~バンコク便を運休してしまいましたが、今回新たに那覇~バンコク便が開設されたということで、東南アジア好きとしては何はともあれこの新路線をまずは喜びたいところです。