シンガポール・チャンギ空港での出来事です。
出国審査場に到着し、列に並ぼうとカウンターに向かって歩いていると、近くにいた係員が声を掛けてきました。何かと思ったら、「こちらへどうぞ」と自動化ゲートの方を案内してきます。
「自分は観光客ですし、何の登録もしてませんよ」と言うと、「問題ないです」と一枚の紙を手渡されました。
「自動化ゲートってシンガポール人や永住者用だと思っていたのですが、いつから観光客でも使えるようになったのですか?」と再度尋ねると、「最近です。入国時に指紋をとってあれば国籍に関係なく誰でも使えます」という返答。
裏面には日本語表記もありました。正しくは「出発するとき、自動出国ゲートをご試用ください」でしょうね。あとから調べてみると、チャンギ空港公式サイトでもきちんと説明されていました。
要は、入国時に指紋のスキャンが済んでいる6歳以上の人は、出国時は誰でも自動化ゲートが使えるとのこと。昨年より、チャンギ空港からシンガポール入りした場合は必ず指紋をとられるようになったため、大人であれば全員これに該当することになります。
成田空港など日本の空港でも自動化ゲートを時々使っているのですが、これは事前に登録が必要ですよね。
シンガポールの場合はこうした手続きは一切必要ありません。
シンガポールの自動化ゲート利用の手順ですが、まずパスポートの顔写真のページをスキャナーに読み取らせます。これで第1のゲートがオープン。前に進み、次に親指(どちらの手でも可)の指紋のスキャン。読み取りが完了すると第2のゲートが開きこれで終了。入国時に既に両親指の指紋のスキャンを行なっているため、出国時はどちらか片方で十分ということなのでしょう。やることは日本の自動化ゲートとほぼ同じです。
簡単ではあるものの、チャンギ空港ってものすごく快適で混雑することもそれほどないんですよね。実際この時も、有人の出国審査カウンターは数人ずつくらいしか並んでいなかったため、正直かかる時間は大差なかったと思います。
年末年始などピークシーズンにはさすがに出国審査場にも行列ができると思うので、カウンターが混んでいるのをみかけたらぜひ自動化ゲートを使ってみて下さい。
なお、自動化ゲートから出国した場合は当然パスポートにスタンプは押されません。今回の旅行について言えば、シンガポールの入国スタンプはありますが、出国スタンプは無い状態です。
これで、チャンギ空港では搭乗手続き(チェンクイン)は当然として、手荷物を預けるのも(バゲージドロップ)、出国審査(イミグレーション)も自動化されたということになります。
通常の空港であれば出国審査の前後に設けられているセキュリティチェックもチャンギの場合は無く、各搭乗ゲート前でのみ検査を行っているため、ターミナルに入ってからは人と一切関わることなくエアサイド(制限エリア)まで来ることができます。
今月末より供用開始されるターミナル4(第4ターミナル)では、このチェックインから出国審査、さらに搭乗に至るまでのフローの完全自動化が導入されます。毎年「世界一の空港」に選ばれるのも納得のチャンギ空港。来るたびにますます進化していますね。
2018年2月追記: チャンギ空港ターミナル4の自動化ゲートの使い方