日本からチェンマイやプーケットへの直行便は実現するか

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現在、日本からタイを訪れようとする場合、札幌(新千歳)、東京(成田・羽田)、名古屋(中部)、大阪(関空)、福岡、那覇と6都市から直行便が運航されています。

さらに、今年11月からはタイ国際航空が仙台~バンコク線を再開するとの報道もありこれを合わせれば計7都市になります。

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ただ、現状これら全ての便の行き先はバンコク(スワンナプーム空港またはドンムアン空港)です。

かつてはタイ国際航空が成田~プーケット間で直行便を運航していた時期もありましたが、ここ数年、日本~タイを結ぶ路線はバンコク一極集中の状態が続いています。



他の東南アジアの国に目を向けてみると、日本人旅行者の多い6か国(タイ、シンガポール、ベトナム、フィリピン、インドネシア、マレーシア)のうち、都市国家であるシンガポールを除けばいずれも日本からそれぞれ2~3都市に直行便が就航しています。

日本から直行便のある東南アジアの都市

タイ: バンコク
シンガポール: シンガポール
ベトナム: ハノイ、ダナン、ホーチミン
フィリピン: マニラ、セブ、クラーク
インドネシア: ジャカルタ、バリ
マレーシア: クアラルンプール、コタキナバル※
カンボジア: プノンペン
ミャンマー: ヤンゴン

(※マレーシア航空による成田~コタキナバル線は7月22日より再開)

昨年タイを訪れた日本人は約165万人、一方、訪日タイ人も100万人の大台を突破し、共に過去最多を記録。どちらも東南アジアの中では断トツトップの数字で、これを見てもタイの就航地がバンコク1都市のみというのは不相応という感じがします。

今年1月、タイ国政府観光庁副総裁も地方路線の実現を「最優先で取り組む」旨の発言をしています。

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現実的に考えれば、バンコク以外で直行便就航の可能性がありそうな都市は、旅行者の多い北部チェンマイと南部プーケットの2都市でしょう。

チェンマイ国際空港
チェンマイ国際空港

これ以外にパタヤの人気も高いものの、こちらはスワンナプーム空港から2時間ほどでアクセスできるうえ、最寄りのウタパオ空港はパタヤ中心部から40kmほども離れているいうことで実現性は低いかなと思います。

タイはフィリピンやベトナムに比べて日本から距離があるため、エアバスA320など既存のナローボディ機では就航がなかなか難しいという要因もありました。ただ、新型エンジンで燃費が向上したA320neoやA321neoは航続距離がこれまでよりも500~1,000kmほど伸び、ロングレンジ型のA321LRであれば最長7,400kmと就航可能なエリアはさらに広がることになります(航続距離はいずれもメーカー発表のデータによる)。

成田空港からの距離

マニラ 約3,050km
セブ 約3,280km
ハノイ 約3,720km
ダナン 約3,870km
ホーチミン 約4,380km
チェンマイ 約4,470km
バンコク 約4,650km
プーケット 約5,260km

関西空港からの距離

マニラ 約2,630km
セブ 約2,920km
ハノイ 約3,230km
ダナン 約3,380m
ホーチミン 約3,910km
チェンマイ 約3,980km
バンコク 約4,160km
プーケット 約4,770km

(※太字はタイの都市)

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いずれにしてもバンコク以外の都市はビジネス需要は多くは望めないでしょうから、ここはやはりLCCの出番でしょうか。

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A321LRの導入を決めたピーチ(Peach Aviation)やジェットスター・ジャパン(Jetstar Japan)、あるいはこちらはワイドボディ機になりますがJALが設立したジップエア(ZIPAIR)などにもぜひチェンマイ線やプーケット線の就航を実現して欲しいものですね。

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