今回ラオス南部のパクセー(パークセー)を久しぶりに訪れ、主要な観光名所を回ってきました。ここでまとめて紹介しようと思います。
パクセーについて
パークは口や入口という意味、セーはメコン川支流のセードン川のことなので、パークセーというのは「セードン川河口に栄えた街」ということになります。

その名の通り、セードン川がメコン川に合流するあたりにはフランス統治時代の建物が残り、旧市街地区的なエリアを形成。宿泊施設が集まり外国人旅行者の姿が多いのもこの周辺です。但し、現在の街の中心で一番賑やかなのはダーオフアン市場やさらにその東側のエリアとなっています。
地理的にみるとパクセーやチャンパーサックの位置するラオス南部というのは、西にタイ、東にベトナム、南にカンボジアとそれぞれ国境を接する昔からの交通の要衝。パクセー中心部からタイ国境まではわずかに40km、カンボジア国境までは約150km、ベトナム国境まででも300km程度しかありません。
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そのため、現在でもこれら国々をまたいで移動する旅行者の間ではポピュラーな地域で、特に近年人気の高いシーパンドンやボラベン高原への中継地点として立ち寄る旅行者が増えています。
アクセス
パクセーへはラオス国内のビエンチャン、サワンナケート、ターケークなどから長距離バスが出ています。所要時間はビエンチャンからは10~12時間、ターケークからは6時間前後、サワンナケートは約4時間。

タイのウボンラーチャターニーからは直行の国際バスがあり所要約3時間(1日2本)。バンコクからも国際バスが運行されています。ウボンからはミニバスやドイサン(ソンテウ)を乗り継いでアクセスすることも可能です。
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この他にも、ベトナムのダナンやフエからはVIPバスが運行されていますし、カンボジアのシェムリアップやプノンペンの旅行会社ではパクセー行きのジョイントチケットを購入することができます。
飛行機でアクセスする場合、市内北部にあるパクセー空港を利用することになります。首都ビエンチャンからの直行便をラオス国営航空とラオ・スカイウェイの2社が運航中。
国際線はバンコク(タイ)、シェムリアップ(カンボジア)、ホーチミン(ベトナム)の3路線。いずれもラオス国営航空による便で、料金は通常片道100ドル以上と高めです。
バンコクからアクセスする場合はウボンラーチャターニー空港までタイ国内線を利用し、その後、陸路で国境を越えるという方法も一般的。ドンムアン空港からはタイ・エアアジア、ノックエア、タイ・ライオンエアのLCC3社が、スワンナプーム空港からはタイ国際航空系のタイスマイルが毎日運航。バンコク~ウボン間は本数も非常に多く、繁忙期以外は料金的にも格安でおすすめです。

観光
中心地に近い順に紹介しようと思います。
まずはダーオフアン市場(Dao Heuang Market)。ここはぜひ朝早く訪れて欲しいですね。ラオス北部山岳地帯の市場と違って、変わったものや物珍しいものはそれほどありませんが、とにかく規模が大きく活気のある市場です。
市場内にはメコン川で揚がった魚、近郊で取れた野菜・肉などの生鮮食品をはじめ、日用生活雑貨、土産物、衣類、電気製品、食堂などありとあらゆるものが揃っています。さらに市場東側はパクセー近郊の村々へのドイサン(ソンテウ)の乗り場にもなっていて周辺も一日中混雑。旅行者にとっても食事をしたりおみやげを買ったりと何かと便利な場所です。
次に、市内南部メコン川の対岸にあるワット・プーサラオ(Wat Phu Salao)。ワットというのは「お寺」のことですが、ここでの見どころは山の中腹に鎮座する大仏(ゴールデンブッダ)と、そこからの眺望。

メコン川やパクセーの街並みを見渡すことのできる大パノラマは壮観の一言。日の出や日没の時間帯は特におすすめです。
ラオス・日本橋(パクセー橋)を渡ってしばらく行くと左に折れる道があり、そこから5kmほど上っていくと到着。徒歩の場合は階段もあり距離的にはこちらの方が近いです。

チャンパーサックにあるワット・プー(Wat Phu )は世界遺産にもなっていますし、パクセー近郊の観光の目玉としてやっぱり外せません。

遺構自体はそれほど多く残っているわけではないものの、山麓から山腹までその範囲は広大。本殿のある最上部から眺める光景も素晴らしいです。パクセーからは40km程度と近いため日帰りで十分。
自分はレンタルバイクで半日観光をしてきましたが、パクセーからワットプーに至るメコン川西岸の道は道路状況もよく、交通量も少なめで快適なツーリングが楽しめました。
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また、チャンパーサックのメコン川沿いには雰囲気の良いレストランが点在しています。ワット・プーへ行く際の食事休憩・小休止にはもってこい。

最後がボラベン高原(Bolaven Plateau)。
パクセーから16号線を東に50kmほど進んだところがボラベン高原中心地のパークソン(Paksong)という街。地元産コーヒー豆の集積地としても知られています。見どころは周辺に点在している美しい滝の数々。今回はそのうちの3滝を訪れました。

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ツアーあるいは車をチャーターして訪れるのが簡単かつ安全な方法だと思います。ただ、西欧人旅行者の間ではパクセーでバイクを借りて、このボラベン高原のコーヒー農園や滝を数日から1週間程度かけて回るいわゆる「パクセー・ループ」というルートが人気となっています。

自分は急ぎ足の日帰り旅でしたが、時間が許せばやはりここは最低1泊はしたいところ。農園によってはホームステイという形で旅行者を受け入れているところが幾つかあります。
宿泊施設
中心部のセードン川近くには小規模なホテルやゲストハウスが多く、やや郊外には団体向けの大型ホテルが点在。高級ホテルは少ないものの、中級以下の宿泊施設は選択肢も豊富です。今回はレジデンス・シソークというクラシックなホテルに泊まりました。口コミ評価通りすごく良いホテルだったので強くおすすめしたいです。
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これ以外だと、パクセーホテルやピーダーオホテルなども評判がよくロケーションも便利。その他、パクセーの人気ホテル・ゲストハウスは以下よりどうぞ。
夜のパクセー
多くの外国人旅行者が滞在するエリアは前述のように市内西部なのですがここは夜になると非常に静かです。夜が早い。
では、地元の若者たちが全く夜遊びしないかというともちろんそんなことはなくて、もっと東のエリアに行くとパブやらクラブなどがいくつかありました。まあ当然ですよね。外国人のおっさんが一人で行っても浮くだけなので行きませんでしたが。個人的には酒を飲みながらたらたらとビリヤードをやるのが好きなのでそういう場所があればと思っていたのですが、残念ながらその手の店は見つけられませんでした。

大体において朝早くから行動していたため、もう9時頃になると眠くなって夜はマッサージに行った程度です。マッサージ店は市内に点在していて、料金はタイと同じくらいかやや高い程度。毎回ラオスマッサージというのを受けました。

まとめ
同じラオスでも北部のルアンパバーンや首都のビエンチャンあるいはバンビエンなどに比べるとまだまだマイナーな存在のパクセーですが、市内だけでなく周囲にも見ごたえのある観光ポイントが数多く点在していて、改めて魅力のある街だと感じました。
大自然も残り、地元の人たちも素朴。治安も東南アジアではかなりいい方ですので、女性でも比較的安心して旅をすることができます。今後はもっと旅行者が増えていくのではないかという思いを強くした2度目のパクセー旅でした。
なお、今回の旅の様子は動画でも公開中。以下シリーズのエピソード4~9までがパクセーに関係したパートとなります。旅行の参考にして頂ければ幸いです。